class Object

[edit]

dynamic include: JSON::Generator::GeneratorMethods::Object (by json)

要約

全てのクラスのスーパークラス。オブジェクトの一般的な振舞いを定義します。

このクラスのメソッドは上書きしたり未定義にしない限り、すべてのオブジェクトで使用することができます。

目次

特異メソッド
インスタンスメソッド
privateメソッド
定数

特異メソッド

new -> Object[permalink][rdoc][edit]

Objectクラスのインスタンスを生成して返します。


some = Object.new
p some #=> #<Object:0x2b696d8>

インスタンスメソッド

self !~ other -> bool[permalink][rdoc][edit]

自身が other とマッチしない事を判定します。

self#=~(obj) を反転した結果と同じ結果を返します。

[PARAM] other:
判定するオブジェクトを指定します。


obj = 'regexp'
p (obj !~ /re/) # => false

obj = nil
p (obj !~ /re/) # => true

[SEE_ALSO] Object#=~

self <=> other -> 0 | nil[permalink][rdoc][edit]

self === other である場合に 0 を返します。そうでない場合には nil を返します。



a = Object.new
b = Object.new
a <=> a # => 0
a <=> b # => nil

[SEE_ALSO] Object#===

self == other -> bool[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトと other が等しければ真を返します。

このメソッドは各クラスの性質に合わせて再定義すべきです。多くの場合、オブジェクトの内容が等しければ真を返すように(同値性を判定するように)再定義されることが期待されています。

デフォルトでは equal? と同じオブジェクトの同一性判定になっています。

[PARAM] other:
比較するオブジェクトです。

p("foo" == "bar") #=> false
p("foo" == "foo") #=> true

p(4 == 4) #=> true
p(4 == 4.0) #=> true

[SEE_ALSO] Object#equal?,Object#eql?

self === other -> bool[permalink][rdoc][edit]

メソッド Object#== の別名です。 case 式で使用されます。このメソッドは case 式での振る舞いを考慮して、各クラスの性質に合わせて再定義すべきです。

一般的に所属性のチェックを実現するため適宜再定義されます。

when 節の式をレシーバーとして === を呼び出すことに注意してください。

また Enumerable#grep でも使用されます。

[PARAM] other:
比較するオブジェクトです。

age = 12
result =
case age
when 0 .. 2
  "baby"
when 3 .. 6
  "little child"
when 7 .. 12
  "child"
when 13 .. 18
  "youth"
else
  "adult"
end

puts result #=> "child"

def check arg
  case arg
  when /ruby(?!\s*on\s*rails)/i
    "hit! #{arg}"
  when String
    "Instance of String class. But don't hit."
  else
    "unknown"
  end
end

puts check([]) #=> unknown
puts check("mash-up in Ruby on Rails") #=> instance of String class. But not hit...
puts check("<Ruby's world>") #=> hit! <Ruby's world>

[SEE_ALSO] Object#==, Range#===, Module#===, Regexp#===, Enumerable#grep

self =~ other -> nil[permalink][rdoc][edit]

右辺に正規表現オブジェクトを置いた正規表現マッチ obj =~ /RE/ をサポートするためのメソッドです。常に nil を返します。

このメソッドは Ruby 2.6 から deprecated です。

意図せずに Array などに対して呼ばれた時にバグの原因になっていたため、代わりに NilClass#=~ が定義されています。

[PARAM] other:
任意のオブジェクトです。結果に影響しません。


obj = 'regexp'
p(obj =~ /re/) #=> 0

obj = nil
p(obj =~ /re/) #=> nil

[SEE_ALSO] String#=~

_dump(limit) -> String[permalink][rdoc][edit]

Marshal.#dump において出力するオブジェクトがメソッド _dump を定義している場合には、そのメソッドの結果が書き出されます。

バージョン1.8.0以降ではObject#marshal_dump, Object#marshal_loadの使用が推奨されます。 Marshal.dump するオブジェクトが _dump と marshal_dump の両方のメソッドを持つ場合は marshal_dump が優先されます。

メソッド _dump は引数として再帰を制限するレベル limit を受け取り、オブジェクトを文字列化したものを返します。

インスタンスがメソッド _dump を持つクラスは必ず同じフォーマットを読み戻すクラスメソッド _load を定義する必要があります。_load はオブジェクトを表現した文字列を受け取り、それをオブジェクトに戻したものを返す必要があります。

[PARAM] limit:
再帰の制限レベルを表す整数です。
[RETURN]
オブジェクトを文字列化したものを返すように定義すべきです。

class Foo
  def initialize(arg)
    @foo = arg
  end
  def _dump(limit)
    Marshal.dump(@foo, limit)
  end
  def self._load(obj)
    p obj
    Foo.new(Marshal.load(obj))
  end
end
foo = Foo.new(['foo', 'bar'])
p foo                      #=> #<Foo:0xbaf234 @foo=["foo", "bar"]>
dms = Marshal.dump(foo)
p dms                      #=> "\004\bu:\bFoo\023\004\b[\a\"\bfoo\"\bbar"
result = Marshal.load(dms) #=> "\004\b[\a\"\bfoo\"\bbar" # self._load の引数
p result                   #=> #<Foo:0xbaf07c @foo=["foo", "bar"]>

インスタンス変数の情報は普通マーシャルデータに含まれるので、上例のように _dump を定義する必要はありません(ただし _dump を定義するとインスタンス変数の情報は dump されなくなります)。 _dump/_load はより高度な制御を行いたい場合や拡張ライブラリで定義したクラスのインスタンスがインスタンス変数以外に情報を保持する場合に利用します。(例えば、クラス Time は、_dump/_load を定義しています)

[SEE_ALSO] Object#marshal_dump, Object#marshal_load, Class#_load

class -> Class[permalink][rdoc][edit]

レシーバのクラスを返します。


p "ruby".class #=> String
p 100.class #=> Integer
p ARGV.class #=> Array
p self.class #=> Object
p Class.class #=> Class
p Kernel.class #=> Module

[SEE_ALSO] Class#superclass,Object#kind_of?,Object#instance_of?

clone(freeze: true) -> object[permalink][rdoc][edit]
dup -> object

オブジェクトの複製を作成して返します。

dup はオブジェクトの内容, taint 情報をコピーし、 clone はそれに加えて freeze, 特異メソッドなどの情報も含めた完全な複製を作成します。

clone や dup は浅い(shallow)コピーであることに注意してください。後述。

TrueClass, FalseClass, NilClass, Symbol, そして Numeric クラスのインスタンスなど一部のオブジェクトは複製ではなくインスタンス自身を返します。

[PARAM] freeze:
false を指定すると freeze されていないコピーを返します。
[EXCEPTION] ArgumentError:
TrueClass などの常に freeze されているオブジェクトの freeze されていないコピーを作成しようとしたときに発生します。

obj = "string"
obj.taint
def obj.fuga
end
obj.freeze

p(obj.equal?(obj))          #=> true
p(obj == obj)               #=> true
p(obj.tainted?)             #=> true
p(obj.frozen?)              #=> true
p(obj.respond_to?(:fuga))   #=> true

obj_c = obj.clone

p(obj.equal?(obj_c))        #=> false
p(obj == obj_c)             #=> true
p(obj_c.tainted?)           #=> true
p(obj_c.frozen?)            #=> true
p(obj_c.respond_to?(:fuga)) #=> true

obj_d = obj.dup

p(obj.equal?(obj_d))        #=> false
p(obj == obj_d)             #=> true
p(obj_d.tainted?)           #=> true
p(obj_d.frozen?)            #=> false
p(obj_d.respond_to?(:fuga)) #=> false

[SEE_ALSO] Object#initialize_copy

深いコピーと浅いコピー

clone や dup はオブジェクト自身を複製するだけで、オブジェクトの指している先(たとえば配列の要素など)までは複製しません。これを浅いコピー(shallow copy)といいます。

深い(deep)コピーが必要な場合には、 Marshalモジュールを利用して


Marshal.load(Marshal.dump(obj))

このように複製を作成する方法があります。ただしMarshal出来ないオブジェクトが含まれている場合には使えません。


obj = ["a","b","c"]

obj_d = obj.dup
obj_d[0] << "PLUS"

p obj   #=> ["aPLUS", "b", "c"]
p obj_d #=> ["aPLUS", "b", "c"]

obj_m = Marshal.load(Marshal.dump(obj))
obj_m[1] << "PLUS"

p obj   #=> ["aPLUS", "b", "c"]
p obj_m #=> ["aPLUS", "bPLUS", "c"]
define_singleton_method(symbol, method) -> Symbol[permalink][rdoc][edit]
define_singleton_method(symbol) { ... } -> Symbol

self に特異メソッド name を定義します。

[PARAM] symbol:
メソッド名を String または Symbol で指定します。
[PARAM] method:
ProcMethod あるいは UnboundMethod のいずれかのインスタンスを指定します。
[RETURN]
メソッド名を表す Symbol を返します。

class A
  class << self
    def class_name
      to_s
    end
  end
end
A.define_singleton_method(:who_am_i) do
  "I am: #{class_name}"
end
A.who_am_i   # ==> "I am: A"

guy = "Bob"
guy.define_singleton_method(:hello) { "#{self}: Hello there!" }
guy.hello    #=>  "Bob: Hello there!"
display(out = $stdout) -> nil[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトを out に出力します。

以下のように定義されています。


class Object
  def display(out = $stdout)
    out.write self
    nil
  end
end
[PARAM] out:
出力先のIOオブジェクトです。指定しない場合は標準出力に出力されます。
[RETURN]
nil を返します。

Object.new.display #=> #<Object:0xbb0210>

[SEE_ALSO] $stdout

to_enum(method = :each, *args) -> Enumerator[permalink][rdoc][edit]
enum_for(method = :each, *args) -> Enumerator
to_enum(method = :each, *args) {|*args| ... } -> Enumerator
enum_for(method = :each, *args) {|*args| ... } -> Enumerator

Enumerator.new(self, method, *args) を返します。

ブロックを指定した場合は Enumerator#size がブロックの評価結果を返します。ブロックパラメータは引数 args です。

[PARAM] method:
メソッド名の文字列かシンボルです。
[PARAM] args:
呼び出すメソッドに渡される引数です。

str = "xyz"

enum = str.enum_for(:each_byte)
p(a = enum.map{|b| '%02x' % b }) #=> ["78", "79", "7a"]

# protects an array from being modified
a = [1, 2, 3]
p(a.to_enum) #=> #<Enumerator: [1, 2, 3]:each>
例(ブロックを指定する場合)

module Enumerable
  def repeat(n)
    raise ArgumentError, "#{n} is negative!" if n < 0
    unless block_given?
      # __method__ はここでは :repeat
      return to_enum(__method__, n) do
        # size メソッドが nil でなければ size * n を返す。
        sz = size
        sz * n if sz
      end
    end
    each do |*val|
      n.times { yield *val }
    end
  end
end

%i[hello world].repeat(2) { |w| puts w }
# => 'hello', 'hello', 'world', 'world'
enum = (1..14).repeat(3)
# => #<Enumerator: 1..14:repeat(3)>
enum.first(4) # => [1, 1, 1, 2]
enum.size # => 42

[SEE_ALSO] Enumerator, Enumerator#size

eql?(other) -> bool[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトと other が等しければ真を返します。Hash で二つのキーが等しいかどうかを判定するのに使われます。

このメソッドは各クラスの性質に合わせて再定義すべきです。多くの場合、 == と同様に同値性の判定をするように再定義されていますが、適切にキー判定ができるようにより厳しくなっている場合もあります。

デフォルトでは equal? と同じオブジェクトの同一性判定になっています。

このメソッドを再定義した時には Object#hash メソッドも再定義しなければなりません。

[PARAM] other:
比較するオブジェクトです。

p("foo".eql?("bar")) #=> false
p("foo".eql?("foo")) #=> true

p(4.eql?(4)) #=> true
p(4.eql?(4.0)) #=> false

[SEE_ALSO] Object#hash,Object#equal?,Object#==

equal?(other) -> bool[permalink][rdoc][edit]

other が self 自身の時、真を返します。

二つのオブジェクトが同一のものかどうか調べる時に使用します。このメソッドを再定義してはいけません。

お互いのObject#object_idが一致するかどうかを調べます。

[PARAM] other:
比較するオブジェクトです。

p("foo".equal?("bar")) #=> false
p("foo".equal?("foo")) #=> false

p(4.equal?(4)) #=> true
p(4.equal?(4.0)) #=> false

p(:foo.equal? :foo) #=> true

[SEE_ALSO] Object#object_id,Object#==,Object#eql?,Symbol

extend(*modules) -> self[permalink][rdoc][edit]

引数で指定したモジュールのインスタンスメソッドを self の特異メソッドとして追加します。

Module#include は、クラス(のインスタンス)に機能を追加しますが、extend は、ある特定のオブジェクトだけにモジュールの機能を追加したいときに使用します。

引数に複数のモジュールを指定した場合、最後の引数から逆順に extend を行います。

[PARAM] modules:
モジュールを任意個指定します(クラスは不可)。
[RETURN]
self を返します。

module Foo
  def a
    'ok Foo'
  end
end

module Bar
  def b
    'ok Bar'
  end
end

obj = Object.new
obj.extend Foo, Bar
p obj.a #=> "ok Foo"
p obj.b #=> "ok Bar"

class Klass
  include Foo
  extend Bar
end

p Klass.new.a #=> "ok Foo"
p Klass.b     #=> "ok Bar"

extend の機能は、「特異クラスに対する Module#include」と言い替えることもできます。ただしその場合、フック用のメソッドが Module#extended ではなく Module#included になるという違いがあります。


# obj.extend Foo, Bar とほぼ同じ
class << obj
  include Foo, Bar
end

[SEE_ALSO] Module#extend_object,Module#include,Module#extended

freeze -> self[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトを凍結(内容の変更を禁止)します。

凍結されたオブジェクトの変更は例外 FrozenError を発生させます。いったん凍結されたオブジェクトを元に戻す方法はありません。

凍結されるのはオブジェクトであり、変数ではありません。代入などで変数の指すオブジェクトが変化してしまうことは freeze では防げません。 freeze が防ぐのは、 `破壊的な操作' と呼ばれるもの一般です。変数への参照自体を凍結したい場合は、グローバル変数なら Kernel.#trace_var が使えます。

[RETURN]
self を返します。

a1 = "foo".freeze
a1 = "bar"
p a1 #=> "bar"

a2 = "foo".freeze
a2.replace("bar") # can't modify frozen String (FrozenError)

凍結を解除することはできませんが、Object#dup を使えばほぼ同じ内容の凍結されていないオブジェクトを得ることはできます。


a = [1].freeze
p a.frozen?     #=> true

a[0] = "foo"
p a             # can't modify frozen Array (FrozenError)

b = a.dup
p b             #=> [1]
p b.frozen?     #=> false

b[0] = "foo"
p b             #=> ["foo"]

[SEE_ALSO] Object#frozen?,Object#dup,Kernel.#trace_var

frozen? -> bool[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトが凍結(内容の変更を禁止)されているときに真を返します。


obj = "someone"
p obj.frozen? #=> false
obj.freeze
p obj.frozen? #=> true

[SEE_ALSO] Object#freeze

hash -> Integer[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトのハッシュ値を返します。このハッシュ値は、Object#eql? と合わせて Hash クラスで、2つのオブジェクトを同一のキーとするか判定するために用いられます。

2つのオブジェクトのハッシュ値が異なるとき、直ちに異なるキーとして判定されます。逆に、2つのハッシュ値が同じとき、さらに Object#eql? での比較により判定されます。そのため、同じキーとして判定される状況は Object#eql? の比較で真となる場合のみであり、このとき前段階としてハッシュ値どうしが等しい必要があります。つまり、

A.eql?(B) ならば A.hash == B.hash

の関係が満たされている必要があります。

ただし、ハッシュのキーとして Integer, Symbol, String などの特定の組み込みクラスが使われるときは、組込みのハッシュ関数が使用され、hash メソッドは呼ばれません。

hash メソッドを再定義する場合は、一様に分布する任意の整数を返すようにします。

[RETURN]
ハッシュ値を返します。Ruby 内部の固定長整数 fixnum に収まらない場合は切り捨てられます。

p self.hash #=> 2013505522753096494
p 0.hash    #=> 2647535320520409998
p 0.0.hash  #=> -2975129765814025835
p nil.hash  #=> 2401531420355998067

p "ruby".hash #=> 4460896024486900438
p "ruby".hash #=> 4460896024486900438
p :ruby.hash  #=> 3979895509189707770
p :ruby.hash  #=> 3979895509189707770

[SEE_ALSO] Object#eql?, Hash#[]

inspect -> String[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトを人間が読める形式に変換した文字列を返します。

組み込み関数 Kernel.#p は、このメソッドの結果を使用してオブジェクトを表示します。


[ 1, 2, 3..4, 'five' ].inspect   # => "[1, 2, 3..4, \"five\"]"
Time.new.inspect                 # => "2008-03-08 19:43:39 +0900"

inspect メソッドをオーバーライドしなかった場合、クラス名とインスタンス変数の名前、値の組を元にした文字列を返します。


class Foo
end
Foo.new.inspect                  # => "#<Foo:0x0300c868>"

class Bar
  def initialize
    @bar = 1
  end
end
Bar.new.inspect                  # => "#<Bar:0x0300c868 @bar=1>"

[SEE_ALSO] Kernel.#p

instance_of?(klass) -> bool[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトがクラス klass の直接のインスタンスである時真を返します。

obj.instance_of?(c) が成立する時には、常に obj.kind_of?(c) も成立します。

[PARAM] klass:
Classかそのサブクラスのインスタンスです。

class C < Object
end
class S < C
end

obj = S.new
p obj.instance_of?(S)       # true
p obj.instance_of?(C)       # false

[SEE_ALSO] Object#kind_of?,Object#class

instance_variable_defined?(var) -> bool[permalink][rdoc][edit]

インスタンス変数 var が定義されていたら真を返します。

[PARAM] var:
インスタンス変数名を文字列か Symbol で指定します。

class Fred
  def initialize(p1, p2)
    @a, @b = p1, p2
  end
end
fred = Fred.new('cat', 99)
p fred.instance_variable_defined?(:@a)    #=> true
p fred.instance_variable_defined?("@b")   #=> true
p fred.instance_variable_defined?("@c")   #=> false

[SEE_ALSO] Object#instance_variable_get,Object#instance_variable_set,Object#instance_variables

instance_variable_get(var) -> object | nil[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトのインスタンス変数の値を取得して返します。

インスタンス変数が定義されていなければ nil を返します。

[PARAM] var:
インスタンス変数名を文字列か Symbol で指定します。

class Foo
  def initialize
    @foo = 1
  end
end

obj = Foo.new
p obj.instance_variable_get("@foo")     #=> 1
p obj.instance_variable_get(:@foo)      #=> 1
p obj.instance_variable_get(:@bar)      #=> nil

[SEE_ALSO] Object#instance_variable_set,Object#instance_variables,Object#instance_variable_defined?

instance_variable_set(var, value) -> object[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトのインスタンス変数 var に値 value を設定します。

インスタンス変数が定義されていなければ新たに定義されます。

[PARAM] var:
インスタンス変数名を文字列か Symbol で指定します。
[PARAM] value:
設定する値です。
[RETURN]
value を返します。

obj = Object.new
p obj.instance_variable_set("@foo", 1)  #=> 1
p obj.instance_variable_set(:@foo, 2)   #=> 2
p obj.instance_variable_get(:@foo)      #=> 2

[SEE_ALSO] Object#instance_variable_get,Object#instance_variables,Object#instance_variable_defined?

instance_variables -> [Symbol][permalink][rdoc][edit]

オブジェクトのインスタンス変数名をシンボルの配列として返します。


obj = Object.new
obj.instance_eval { @foo, @bar = nil }
p obj.instance_variables

#=> [:@foo, :@bar]

[SEE_ALSO] Object#instance_variable_get, Kernel.#local_variables, Kernel.#global_variables, Module.constants, Module#constants, Module#class_variables

is_a?(mod) -> bool[permalink][rdoc][edit]
kind_of?(mod) -> bool

オブジェクトが指定されたクラス mod かそのサブクラスのインスタンスであるとき真を返します。

また、オブジェクトがモジュール mod をインクルードしたクラスかそのサブクラスのインスタンスである場合にも真を返します。 Module#includeだけではなく、Object#extendModule#prependによってサブクラスのインスタンスになる場合も含みます。上記のいずれでもない場合に false を返します。

[PARAM] mod:
クラスやモジュールなど、Moduleかそのサブクラスのインスタンスです。

module M
end
class C < Object
  include M
end
class S < C
end

obj = S.new
p obj.is_a?(S)       # true
p obj.is_a?(C)       # true
p obj.is_a?(Object)  # true
p obj.is_a?(M)       # true
p obj.is_a?(Hash)    # false

[SEE_ALSO] Object#instance_of?,Module#===,Object#class

itself -> object[permalink][rdoc][edit]

self を返します。


string = 'my string' # => "my string"
string.itself.object_id == string.object_id # => true
marshal_dump -> object[permalink][rdoc][edit]

Marshal.#dump を制御するメソッドです。

Marshal.dump(some) において、出力するオブジェクト some がメソッド marshal_dump を持つ場合には、その返り値がダンプされたものが Marshal.dump(some) の返り値となります。

marshal_dump/marshal_load の仕組みは Ruby 1.8.0 から導入されました。これから書くプログラムでは _dump/_load ではなく marshal_dump/marshal_load を使うべきです。

[RETURN]
任意のオブジェクトで marshal_load の引数に利用できます。

class Foo
  def initialize(arg)
    @foo = arg
  end
  def marshal_dump
    @foo
  end
  def marshal_load(obj)
    p obj
    @foo = obj
  end
end
foo = Foo.new(['foo', 'bar'])
p foo                      #=> #<Foo:0xbaf3b0 @foo=["foo", "bar"]>
dms = Marshal.dump(foo)
p dms                      #=> "\004\bU:\bFoo[\a\"\bfoo\"\bbar"
result = Marshal.load(dms) #=> ["foo", "bar"] # marshal_load の引数
p result                   #=> #<Foo:0xbaf2ac @foo=["foo", "bar"]>

インスタンス変数の情報は普通マーシャルデータに含まれるので、上例のように marshal_dump を定義する必要はありません (ただし marshal_dump を定義するとインスタンス変数の情報はダンプされなくなるので、marshal_dump/marshal_load で扱う必要があります)。 marshal_dump/marshal_load はより高度な制御を行いたい場合や拡張ライブラリで定義したクラスのインスタンスがインスタンス変数以外に情報を保持する場合に利用します。

特に、marshal_dump/marshal_load を定義したオブジェクトは特異メソッドが定義されていてもマーシャルできるようになります (特異メソッドの情報が自動的に dump されるようになるわけではなく、 marshal_dump/marshal_load によりそれを実現する余地があるということです)。

[SEE_ALSO] Object#marshal_load, Marshal

marshal_load(obj) -> object[permalink][rdoc][edit]

Marshal.#load を制御するメソッドです。

some のダンプ結果(Marshal.dump(some)) をロードする(Marshal.load(Marshal.dump(some)))には some がメソッド marshal_load を持っていなければなりません。このとき、marshal_dump の返り値が marshal_load の引数に利用されます。 marshal_load 時の self は、生成されたばかり(Class#allocate されたばかり) の状態です。

marshal_dump/marshal_load の仕組みは Ruby 1.8.0 から導入されました。これから書くプログラムでは _dump/_load ではなく marshal_dump/marshal_load を使うべきです。

[PARAM] obj:
marshal_dump の返り値のコピーです。
[RETURN]
返り値は無視されます。

[SEE_ALSO] Object#marshal_dump, Marshal

method(name) -> Method[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトのメソッド name をオブジェクト化した Method オブジェクトを返します。

[PARAM] name:
メソッド名をSymbol またはStringで指定します。
[EXCEPTION] NameError:
定義されていないメソッド名を引数として与えると発生します。

me = -365.method(:abs)
p me #=> #<Method: Integer#abs>
p me.call #=> 365

[SEE_ALSO] Module#instance_method, Method, BasicObject#__send__, Object#send, Kernel.#eval, Object#singleton_method

methods(include_inherited = true) -> [Symbol][permalink][rdoc][edit]

そのオブジェクトに対して呼び出せるメソッド名の一覧を返します。このメソッドは public メソッドおよび protected メソッドの名前を返します。

ただし特別に、引数が偽の時は Object#singleton_methods(false) と同じになっています。

[PARAM] include_inherited:
引数が偽の時は Object#singleton_methods(false) と同じになります。
例1

class Parent
  private;   def private_parent()   end
  protected; def protected_parent() end
  public;    def public_parent()    end
end

class Foo < Parent
  private;   def private_foo()   end
  protected; def protected_foo() end
  public;    def public_foo()    end
end

obj = Foo.new
class <<obj
    private;   def private_singleton()   end
    protected; def protected_singleton() end
    public;    def public_singleton()    end
end

# あるオブジェクトの応答できるメソッドの一覧を得る。
p obj.methods(false)
p obj.public_methods(false)
p obj.private_methods(false)
p obj.protected_methods(false)

# 実行結果
[:protected_singleton, :public_singleton]
[:public_singleton, :public_foo]
[:private_singleton, :private_foo]
[:protected_singleton, :protected_foo]
例2

# あるオブジェクトの応答できるメソッドの一覧を得る。
# 自身のクラスの親クラスのインスタンスメソッドも含めるために true を指定して
# いるが、Object のインスタンスメソッドは一覧から排除している。
p obj.methods(true)           - Object.instance_methods(true)
p obj.public_methods(true)    - Object.public_instance_methods(true)
p obj.private_methods(true)   - Object.private_instance_methods(true)
p obj.protected_methods(true) - Object.protected_instance_methods(true)

# 実行結果
[:protected_singleton, :public_singleton, :protected_foo, :public_foo, :protected_parent, :public_parent]
[:public_singleton, :public_foo, :public_parent]
[:private_singleton, :private_foo, :private_parent]
[:protected_singleton, :protected_foo, :protected_parent]

[SEE_ALSO] Module#instance_methods,Object#singleton_methods

nil? -> bool[permalink][rdoc][edit]

レシーバが nil であれば真を返します。

p false.nil? #=> false
p nil.nil? #=> true

[SEE_ALSO] NilClass

object_id -> Integer[permalink][rdoc][edit]

各オブジェクトに対して一意な整数を返します。あるオブジェクトに対してどのような整数が割り当てられるかは不定です。

Rubyでは、(Garbage Collectされていない)アクティブなオブジェクト間で重複しない整数(object_id)が各オブジェクトにひとつずつ割り当てられています。このメソッドはその値を返します。

TrueClass, FalseClass, NilClass, Symbol, Integer クラスのインスタンスなど Immutable(変更不可)なオブジェクトの一部は同じ内容ならば必ず同じ object_id になります。

これは、Immutable ならば複数の場所から参照されても`破壊的操作'による問題が発生しないので、同じ内容のインスタンスを複数生成しないという内部実装が理由です。


p "ruby".object_id #=> 60
p "ruby".object_id #=> 80

p [].object_id #=> 100
p [].object_id #=> 120

p :ruby.object_id #=> 710428
p :ruby.object_id #=> 710428

p 11.object_id #=> 23
p 11.object_id #=> 23

p true.object_id #=> 20
p true.object_id #=> 20

[SEE_ALSO] Object#equal?,Symbol

private_methods(include_inherited = true) -> [Symbol][permalink][rdoc][edit]

そのオブジェクトが理解できる private メソッド名の一覧を返します。

[PARAM] include_inherited:
偽となる値を指定すると自身のクラスのスーパークラスで定義されたメソッドを除きます。

[SEE_ALSO] Module#private_instance_methods,Object#methods,Object#singleton_methods

protected_methods(include_inherited = true) -> [Symbol][permalink][rdoc][edit]

そのオブジェクトが理解できる protected メソッド名の一覧を返します。

[PARAM] include_inherited:
偽となる値を指定すると自身のクラスのスーパークラスで定義されたメソッドを除きます。

[SEE_ALSO] Module#protected_instance_methods,Object#methods,Object#singleton_methods

public_method(name) -> Method[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトの public メソッド name をオブジェクト化した Method オブジェクトを返します。

[PARAM] name:
メソッド名を Symbol または String で指定します。
[EXCEPTION] NameError:
定義されていないメソッド名や、 protected メソッド名、 private メソッド名を引数として与えると発生します。

1.public_method(:to_int) #=> #<Method: Integer#to_int>
1.public_method(:p)      #   method `p' for class `Integer' is private (NameError)

[SEE_ALSO] Object#method,Object#public_send,Module#public_instance_method

public_methods(include_inherited = true) -> [Symbol][permalink][rdoc][edit]

そのオブジェクトが理解できる public メソッド名の一覧を返します。

[PARAM] include_inherited:
偽となる値を指定すると自身のクラスのスーパークラスで定義されたメソッドを除きます。

[SEE_ALSO] Module#public_instance_methods,Object#methods,Object#singleton_methods

public_send(name, *args) -> object[permalink][rdoc][edit]
public_send(name, *args) { .... } -> object

オブジェクトの public メソッド name を args を引数にして呼び出し、メソッドの実行結果を返します。

ブロック付きで呼ばれたときはブロックもそのまま引き渡します。


1.public_send(:+, 2)  # => 3
[PARAM] name:
文字列かSymbol で指定するメソッド名です。
[PARAM] args:
呼び出すメソッドに渡す引数です。
[EXCEPTION] ArgumentError:
name を指定しなかった場合に発生します。
[EXCEPTION] NoMethodError:
protected メソッドや private メソッドに対して実行した場合に発生します。

1.public_send(:puts, "hello")  # => NoMethodError

[SEE_ALSO] BasicObject#__send__, Object#send

remove_instance_variable(name) -> object[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトからインスタンス変数 name を取り除き、そのインスタンス変数に設定されていた値を返します。

[PARAM] name:
削除するインスタンス変数の名前をシンボルか文字列で指定します。
[EXCEPTION] NameError:
オブジェクトがインスタンス変数 name を持たない場合に発生します。

class Foo
  def foo
    @foo = 1
    p remove_instance_variable(:@foo) #=> 1
    p remove_instance_variable(:@foo) # instance variable @foo not defined (NameError)
  end
end
Foo.new.foo

[SEE_ALSO] Module#remove_class_variable,Module#remove_const

respond_to?(name, include_all = false) -> bool[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトがメソッド name を持つとき真を返します。

オブジェクトが メソッド name を持つというのは、オブジェクトが メソッド name に応答できることをいいます。

Windows での Process.fork や GNU/Linux での File.lchmod のような NotImplementedError が発生する場合は false を返します。

※ NotImplementedError が発生する場合に false を返すのは Rubyの組み込みライブラリや標準ライブラリなど、C言語で実装されているメソッドのみです。 Rubyで実装されたメソッドで NotImplementedError が発生する場合は true を返します。

メソッドが定義されていない場合は、Object#respond_to_missing? を呼び出してその結果を返します。

[PARAM] name:
Symbol または文字列で指定するメソッド名です。
[PARAM] include_all:
private メソッドと protected メソッドを確認の対象に含めるかを true か false で指定します。省略した場合は false(含めない) を指定した事になります。

class F
  def hello
    "Bonjour"
  end
end

class D
  private
  def hello
    "Guten Tag"
  end
end
list = [F.new,D.new]

list.each{|it| puts it.hello if it.respond_to?(:hello)}
#=> Bonjour

list.each{|it| it.instance_eval("puts hello if it.respond_to?(:hello, true)")}
#=> Bonjour
#   Guten Tag

module Template
  def main
    start
    template_method
    finish
  end

  def start
    puts "start"
  end

  def template_method
    raise NotImplementedError.new
  end

  def finish
    puts "finish"
  end
end

class ImplTemplateMethod
  include Template
  def template_method
    "implement template_method"
  end
end

class NotImplTemplateMethod
  include Template

  # not implement template_method
end

puts ImplTemplateMethod.new.respond_to?(:template_method) # => true
# NotImplementedError が発生しているが、Rubyによる実装部のため true を返す
puts NotImplTemplateMethod.new.respond_to?(:template_method) # => true
# GNU/Linux で実行。C言語による実装部のため false を返す
puts File.respond_to?(:lchmod)         # => false

[SEE_ALSO] Module#method_defined?

send(name, *args) -> object[permalink][rdoc][edit]
send(name, *args) { .... } -> object

オブジェクトのメソッド name を args を引数にして呼び出し、メソッドの実行結果を返します。

ブロック付きで呼ばれたときはブロックもそのまま引き渡します。

send が再定義された場合に備えて別名 __send__ も用意されており、ライブラリではこちらを使うべきです。また __send__ は再定義すべきではありません。

send, __send__ は、メソッドの呼び出し制限にかかわらず任意のメソッドを呼び出せます。 クラス/メソッドの定義/呼び出し制限 も参照してください。

public メソッドだけ呼び出せれば良い場合は Object#public_send を使う方が良いでしょう。

[PARAM] name:
文字列かSymbol で指定するメソッド名です。
[PARAM] args:
呼び出すメソッドに渡す引数です。

p -365.send(:abs) #=> 365
p "ruby".send(:sub,/./,"R") #=> "Ruby"


class Foo
  def foo() "foo" end
  def bar() "bar" end
  def baz() "baz" end
end

# 任意のキーとメソッド(の名前)の関係をハッシュに保持しておく
# レシーバの情報がここにはないことに注意
methods = {1 => :foo,
  2 => :bar,
  3 => :baz}

# キーを使って関連するメソッドを呼び出す
# レシーバは任意(Foo クラスのインスタンスである必要もない)
p Foo.new.send(methods[1])      # => "foo"
p Foo.new.send(methods[2])      # => "bar"
p Foo.new.send(methods[3])      # => "baz"

[SEE_ALSO] Object#public_send, BasicObject#__send__, Object#method, Kernel.#eval, Proc, Method

singleton_class -> Class[permalink][rdoc][edit]

レシーバの特異クラスを返します。まだ特異クラスがなければ、新しく作成します。

レシーバが nil か true か false なら、それぞれ NilClass, TrueClass, FalseClass を返します。

[EXCEPTION] TypeError:
レシーバが IntegerFloatSymbol の場合に発生します。

Object.new.singleton_class  #=> #<Class:#<Object:0xb7ce1e24>>
String.singleton_class      #=> #<Class:String>
nil.singleton_class         #=> NilClass

[SEE_ALSO] Object#class

singleton_method(name) -> Method[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトの特異メソッド name をオブジェクト化した Method オブジェクトを返します。

[PARAM] name:
メソッド名をSymbol またはStringで指定します。
[EXCEPTION] NameError:
定義されていないメソッド名を引数として与えると発生します。

class Demo
  def initialize(n)
    @iv = n
  end
  def hello()
    "Hello, @iv = #{@iv}"
  end
end

k = Demo.new(99)
def k.hi
  "Hi, @iv = #{@iv}"
end
m = k.singleton_method(:hi)    # => #<Method: #<Demo:0xf8b0c3c4 @iv=99>.hi>
m.call   #=> "Hi, @iv = 99"
m = k.singleton_method(:hello) # => NameError

[SEE_ALSO] Module#instance_method, Method, BasicObject#__send__, Object#send, Kernel.#eval, Object#method

singleton_methods(inherited_too = true) -> [Symbol][permalink][rdoc][edit]

そのオブジェクトに対して定義されている特異メソッド名 (public あるいは protected メソッド) の一覧を返します。

inherited_too が真のときは継承した特異メソッドを含みます。継承した特異メソッドとは Object#extend によって追加された特異メソッドや、 self がクラスの場合はスーパークラスのクラスメソッド(Classのインスタンスの特異メソッド)などです。

singleton_methods(false) は、Object#methods(false) と同じです。

[PARAM] inherited_too:
継承した特異メソッドを含める場合は真を、そうでない場合は偽を指定します。
例1

Parent = Class.new

class <<Parent
  private;   def private_class_parent() end
  protected; def protected_class_parent() end
  public;    def public_class_parent() end
end

Foo = Class.new(Parent)

class <<Foo
  private;   def private_class_foo() end
  protected; def protected_class_foo() end
  public;    def public_class_foo() end
end

module Bar
  private;   def private_bar()   end
  protected; def protected_bar() end
  public;    def public_bar()    end
end

obj = Foo.new
class <<obj
  include Bar
  private;   def private_self()   end
  protected; def protected_self() end
  public;    def public_self()    end
end

# あるオブジェクトの特異メソッドの一覧を得る。
p obj.singleton_methods(false)
p obj.methods(false)
p Foo.singleton_methods(false)

#実行結果

[:protected_self, :public_self]
[:protected_self, :public_self]
[:protected_class_foo, :public_class_foo]
例2

# あるオブジェクトの特異メソッドの一覧を得る。
# 親クラスのクラスメソッドも含まれるよう true を指定したが、
# Object のクラスメソッドは一覧から排除している。

p obj.singleton_methods(true)
p Foo.singleton_methods(true) - Object.singleton_methods(true)

#実行結果

[:protected_self, :public_self, :protected_bar, :public_bar]
[:protected_class_foo, :public_class_foo, :protected_class_parent, :public_class_parent]

[SEE_ALSO] Object#methods,Object#extend

taint -> self[permalink][rdoc][edit]

このメソッドは Ruby 2.7 から deprecated で、Ruby 3.2 で削除予定です。

オブジェクトの「汚染マーク」をセットします。

環境変数(ENVで得られる文字列)など一部のオブジェクトは最初から汚染されています。オブジェクトの汚染に関してはセキュリティモデルを参照してください。


$SAFE = 1

some = "puts '@&%&(#!'"
p some.tainted? #=> false
eval(some) #=> @&%&(#!

some.taint
p some.tainted? #=> true
eval(some) # Insecure operation - eval (SecurityError)

some.untaint
p some.tainted? #=> false
eval(some) #=> @&%&(#!

p ENV['OS'].tainted? #=> true

[SEE_ALSO] Object#tainted?,Object#untaint,Object#freeze

tainted? -> bool[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトの「汚染マーク」がセットされている時真を返します。

オブジェクトの汚染に関してはセキュリティモデルを参照してください。


p String.new.tainted? #=> false
p ENV['OS'].tainted? #=> true

このメソッドは Ruby 2.7から deprecated で、Ruby 3.2 で削除予定です。

[SEE_ALSO] Object#taint,Object#untaint

tap {|x| ... } -> self[permalink][rdoc][edit]

self を引数としてブロックを評価し、self を返します。

メソッドチェインの途中で直ちに操作結果を表示するためにメソッドチェインに "入り込む" ことが、このメソッドの主目的です。


(1..10)                  .tap {|x| puts "original: #{x}" }
  .to_a                  .tap {|x| puts "array:    #{x}" }
  .select {|x| x.even? } .tap {|x| puts "evens:    #{x}" }
  .map {|x| x*x }        .tap {|x| puts "squares:  #{x}" }

[SEE_ALSO] Object#yield_self

yield_self {|x| ... } -> object[permalink][rdoc][edit]
yield_self -> Enumerator
then {|x| ... } -> object
then -> Enumerator

self を引数としてブロックを評価し、ブロックの結果を返します。



3.next.then {|x| x**x }.to_s             # => "256"
"my string".yield_self {|s| s.upcase }   # => "MY STRING"

値をメソッドチェインのパイプラインに次々と渡すのは良い使い方です。

メソッドチェインのパイプライン

require 'open-uri'
require 'json'

construct_url(arguments).
  yield_self {|url| URI(url).read }.
  yield_self {|response| JSON.parse(response) }

ブロックなしで呼び出されたときは Enumerator を返します。例えば条件によって値を捨てるのに使えます。


# 条件にあうので何もしない
1.yield_self.detect(&:odd?)            # => 1
# 条件に合わないので値を捨てる
2.yield_self.detect(&:odd?)            # => nil

[SEE_ALSO] Object#tap

to_a -> Array[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトを配列に変換した結果を返します。デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。


p( {'a'=>1}.to_a )  # [["a", 1]]
p ['array'].to_a    # ["array"]
p nil.to_a          # []

[SEE_ALSO] Object#to_ary,Kernel.#Array

to_ary -> Array[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトの Array への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • 配列が使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • 配列そのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。


class Foo
  def to_ary
    [3,4]
  end
end

it = Foo.new
p([1,2] + it) #=> [1, 2, 3, 4]

[SEE_ALSO] Object#to_a,Kernel.#Array

to_hash -> Hash[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトの Hash への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • ハッシュが使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • ハッシュそのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。


class Foo
  def to_hash
    {'as' => 24}
  end
end

it = Foo.new
p({:as => 12}.merge(it)) #=> {"as"=>24, :as=>12}
to_int -> Integer[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトの Integer への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • 整数が使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • 整数そのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。


class Foo
  def to_int
    1
  end
end

ary = [:a, :b, :c]
p(ary[Foo.new]) # => :b

[SEE_ALSO] Kernel.#Integer

to_io -> IO[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトの IO への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • IOオブジェクトが使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • IOオブジェクトそのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

to_proc -> Proc[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトの Proc への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。


def doing
  yield
end

class Foo
  def to_proc
    Proc.new{p 'ok'}
  end
end

it = Foo.new
doing(&it) #=> "ok"
to_regexp -> Regexp[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトの Regexp への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • 正規表現が使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • 正規表現そのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。


class Foo
  def to_regexp
    /[\d]+/
  end
end

it = Foo.new
p Regexp.union(/^at/, it) #=> /(?-mix:^at)|(?-mix:[\d]+)/
to_s -> String[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトの文字列表現を返します。

Kernel.#printKernel.#sprintf は文字列以外のオブジェクトが引数に渡された場合このメソッドを使って文字列に変換します。


class Foo
  def initialize num
    @num = num
  end
end
it = Foo.new(40)

puts it #=> #<Foo:0x2b69110>

class Foo
  def to_s
    "Class:Foo Number:#{@num}"
  end
end

puts it #=> Class:Foo Number:40

[SEE_ALSO] Object#to_str,Kernel.#String

to_str -> String[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトの String への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • 文字列が使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • 文字列そのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。


class Foo
  def to_str
    'Edition'
  end
end

it = Foo.new
p('Second' + it) #=> "SecondEdition"

[SEE_ALSO] Object#to_s,Kernel.#String

trust -> self[permalink][rdoc][edit]

このメソッドは Ruby 2.1 から deprecated で、Ruby 3.2 で削除予定です。 Object#untaint と同じ動作をします。

[SEE_ALSO] Object#untrusted?,Object#untrust

untaint -> self[permalink][rdoc][edit]

オブジェクトの「汚染マーク」を取り除きます。

汚染マークを取り除くことによる危険性はプログラマが責任を負う必要があります。

オブジェクトの汚染に関してはセキュリティモデルを参照してください。

ruby -e 'p ARGV[0].tainted?;t=+ARGV[0];t.untaint;p t.tainted?' hoge
# => true
# false

このメソッドは Ruby 2.7 から deprecated で、Ruby 3.2 で削除予定です。

[SEE_ALSO] Object#taint,Object#tainted?

untrust -> self[permalink][rdoc][edit]

このメソッドは Ruby 2.1 から deprecated で、Ruby 3.2 で削除予定です。 Object#taint と同じ動作をします。

[SEE_ALSO] Object#trust,Object#untrusted?

untrusted? -> bool[permalink][rdoc][edit]

このメソッドは Ruby 2.1 から deprecated で、Ruby 3.2 で削除予定です。 Object#tainted? と同じ動作をします。

[SEE_ALSO] Object#trust,Object#untrust

privateメソッド

initialize(*args, &block) -> object[permalink][rdoc][edit]

ユーザ定義クラスのオブジェクト初期化メソッド。

このメソッドは Class#new から新しく生成されたオブジェクトの初期化のために呼び出されます。他の言語のコンストラクタに相当します。デフォルトの動作ではなにもしません。

initialize には Class#new に与えられた引数がそのまま渡されます。

サブクラスではこのメソッドを必要に応じて再定義されることが期待されています。

initialize という名前のメソッドは自動的に private に設定されます。

[PARAM] args:
初期化時の引数です。
[PARAM] block:
初期化時のブロック引数です。必須ではありません。

class Foo
  def initialize name
    puts "initialize Foo"
    @name = name
  end
end

class Bar < Foo
  def initialize name, pass
    puts "initialize Bar"
    super name
    @pass = pass
  end
end

it = Bar.new('myname','0500')
p it
#=> initialize Bar
#   initialize Foo
#   #<Bar:0x2b68f08 @name="myname", @pass="0500">

[SEE_ALSO] Class#new

initialize_copy(obj) -> object[permalink][rdoc][edit]

(拡張ライブラリによる) ユーザ定義クラスのオブジェクトコピーの初期化メソッド。

このメソッドは self を obj の内容で置き換えます。ただし、self のインスタンス変数や特異メソッドは変化しません。 Object#clone, Object#dupの内部で使われています。

initialize_copy は、Ruby インタプリタが知り得ない情報をコピーするために使用(定義)されます。例えば C 言語でクラスを実装する場合、情報をインスタンス変数に保持させない場合がありますが、そういった内部情報を initialize_copy でコピーするよう定義しておくことで、dup や clone を再定義する必要がなくなります。

デフォルトの Object#initialize_copy は、 freeze チェックおよび型のチェックを行い self を返すだけのメソッドです。

initialize_copy という名前のメソッドは自動的に private に設定されます。

[EXCEPTION] TypeError:
レシーバが freeze されているか、obj のクラスがレシーバのクラスと異なる場合に発生します。

[SEE_ALSO] Object#clone,Object#dup

以下に例として、dup や clone がこのメソッドをどのように利用しているかを示します。

obj.dup は、新たに生成したオブジェクトに対して initialize_copy を呼び


obj2 = obj.class.allocate
obj2.initialize_copy(obj)

obj2 に対してさらに obj の汚染状態、インスタンス変数、ファイナライザをコピーすることで複製を作ります。 obj.clone は、さらに特異メソッドのコピーも行います。


obj = Object.new
class <<obj
  attr_accessor :foo
  def bar
    :bar
  end
end

def check(obj)
  puts "instance variables: #{obj.inspect}"
  puts "tainted?: #{obj.tainted?}"
  print "singleton methods: "
  begin
    p obj.bar
  rescue NameError
    p $!
  end
end

obj.foo = 1
obj.taint

check Object.new.send(:initialize_copy, obj)
        #=> instance variables: #<Object:0x4019c9d4>
        #   tainted?: false
        #   singleton methods: #<NoMethodError: ...>
check obj.dup
        #=> instance variables: #<Object:0x4019c9c0 @foo=1>
        #   tainted?: true
        #   singleton methods: #<NoMethodError: ...>
check obj.clone
        #=> instance variables: #<Object:0x4019c880 @foo=1>
        #   tainted?: true
        #   singleton methods: :bar
respond_to_missing?(symbol, include_private) -> bool[permalink][rdoc][edit]

自身が symbol で表されるメソッドに対し BasicObject#method_missing で反応するつもりならば真を返します。

Object#respond_to? はメソッドが定義されていない場合、デフォルトでこのメソッドを呼びだし問合せます。

BasicObject#method_missing を override した場合にこのメソッドも override されるべきです。

false を返します。

[PARAM] symbol:
メソッド名シンボル
[PARAM] include_private:
private method も含めたい場合に true が渡されます


class Sample
  def method_missing(name, *args)
    if name =~ /^to_*/
      [name, *args] # => [:to_sample, "sample args1", "sample args2"]
      return
    else
      super
    end
  end

  def respond_to_missing?(sym, include_private)
    (sym =~ /^to_*/) ? true : super
  end
end

s = Sample.new
s.to_sample("sample args1", "sample args2")
s.respond_to?(:to_sample)  # => true
s.respond_to?(:sample)    # => false

[SEE_ALSO] Object#respond_to?, BasicObject#method_missing

定数

ARGF -> Object[permalink][rdoc][edit]

引数 (なければ標準入力) で構成される仮想ファイル (詳細は ARGFARGF.class を参照)。

つまり Kernel.#getsARGF.class#gets と同じ意味です。 ARGF.class#file で現在読み込み中のファイルオブジェクトが、 ARGF.class#filename で現在読み込み中のファイル名が得られます。

ARGV -> Array[permalink][rdoc][edit] [redefined by optparse]

Ruby スクリプトに与えられた引数を表す配列です。

optparse を require することにより、ARGV は OptionParser::Arguable を Object#extend します。

[SEE_ALSO] OptionParser::Arguable

ARGV -> Array[permalink][rdoc][edit]

Ruby スクリプトに与えられた引数を表す配列です。

組み込み変数 $* の別名です。 Ruby 自身に対する引数は取り除かれています。

例:

スクリプト argv.rb の内容が

p ARGV

であったとします。このときシェルから次を実行すると、

$ ruby argv.rb foo bar baz

結果は以下のように出力されます。

["foo", "bar", "baz"]
DATA -> File[permalink][rdoc][edit]

スクリプトの __END__ プログラムの終り以降をアクセスする File オブジェクト。

プログラム・文・式/プログラムの終りも参照。

ソースファイルの __END__ 以降は解析・実行の対象にならないのでその部分にプログラムが利用するためのデータを書き込んでおくことができます。 DATA 定数はそのデータ部分にアクセスするための File オブジェクトを保持しています。

__END__ を含まないプログラムにおいては DATA は定義されません。

注意

  • DATA.rewind で移動する読みとり位置は __END__ 直後ではなく、 スクリプトファイルの先頭です。
  • スクリプトが標準入力から読みこまれた場合は標準入力になります。
  • スクリプトがファイルや標準入力から読みこまれなかった場合や、 __END__ で終っていない場合には定義されません。
  • Kernel.#requireKernel.#load で 読み込まれたファイルの中であってもそのファイル (__FILE__, 変数と定数/擬似変数) ではなく実行されたファイル ($0) を指します。

例1

print DATA.gets # => 故人西辞黄鶴楼
print DATA.gets # => 烟花三月下揚州
print DATA.gets # => 孤帆遠影碧空尽
print DATA.gets # => 唯見長江天際流
DATA.gets       # => nil

__END__
故人西辞黄鶴楼
烟花三月下揚州
孤帆遠影碧空尽
唯見長江天際流

例2

sum = 0
DATA.each_line do |line|
  sum += line.to_i
end

DATA.rewind
p DATA.gets    # => "sum = 0¥n"

__END__
17
19
23
29
31

例3

DATA.gets    # => uninitialized constant DATA (NameError)

例4

ファイル library.rb と app.rb の内容が以下であったとします。

library.rb:

print DATA.gets

__END__
data from library

app.rb:

require 'library.rb'

__END__
data from app

このときシェルから次を実行すると

$ ruby app.rb

結果は以下のように出力されます。

data from app
ENV -> Object[permalink][rdoc][edit]

環境変数を表す (擬似) 連想配列 (詳細は ENV を参照)。

この連想配列の値を変更すると子プロセスの環境として引き継がれます。

FALSE -> FalseClass[permalink][rdoc][edit]

非推奨です。代表的な偽の値。false と同じ。

この定数は過去との互換性のために提供されています。擬似変数 false を使ってください。 Ruby では false と nil が偽として扱われます。偽でない値(false でも nil でもない値) は全て真とみなされます。

NIL -> NilClass[permalink][rdoc][edit]

非推奨です。 nil と同じ。

この定数は過去との互換性のために提供されています。擬似変数 nil を使ってください。

Ruby では false と nil が偽として扱われます。偽でない値(false でも nil でもない値) は全て真とみなされます。

RUBY_COPYRIGHT -> String[permalink][rdoc][edit]

Ruby のコピーライトを表す文字列。

RUBY_DESCRIPTION -> String[permalink][rdoc][edit]

Ruby の詳細を表す文字列。

ruby -v で表示される内容が格納されています。

RUBY_ENGINE -> String[permalink][rdoc][edit]

Ruby処理系実装の種類を表す文字列。

例:

$ ruby-1.9.1 -ve 'p RUBY_ENGINE'
ruby 1.9.1p0 (2009-03-04 revision 22762) [x86_64-linux]
"ruby"
$ jruby -ve 'p RUBY_ENGINE'
jruby 1.2.0 (ruby 1.8.6 patchlevel 287) (2009-03-16 rev 9419) [i386-java]
"jruby"
RUBY_ENGINE_VERSION -> String[permalink][rdoc][edit]

Ruby処理系実装のバージョンを表す文字列。

RUBY_PATCHLEVEL -> Integer[permalink][rdoc][edit]

Ruby のパッチレベルを表す Integer オブジェクトです。

パッチレベルはRubyの各バージョンに対するバグ修正パッチの適用をカウントしています。 teeny リリースのそれぞれについてパッチレベルは 0 から始まり、その teeny リリースに対してバグ修正パッチが適用される度に増えていきます。

パッチレベルという概念および RUBY_PATCHLEVEL 定数は、 Ruby 1.8.5-p1 以降、 1.8.6 以降で導入されました。 1.8.5やそれ以前のバージョンでは定義されていません。

RUBY_PLATFORM -> String[permalink][rdoc][edit]

プラットフォームを表す文字列。

RUBY_RELEASE_DATE -> String[permalink][rdoc][edit]

Ruby のリリース日を表す文字列。

RUBY_REVISION -> Integer[permalink][rdoc][edit]

Ruby の Subversion でのリビジョン番号を表す Integer オブジェクトです。

RUBY_VERSION -> String[permalink][rdoc][edit]

Ruby のバージョンを表す文字列。

Ruby のバージョンは、major.minor.teeny という形式です。

SCRIPT_LINES__ -> Hash[permalink][rdoc][edit]

ソースファイル別にまとめられたソースコードの各行。

この定数は、デフォルトでは定義されていません。この定数がハッシュとして定義された後にソースがコンパイルされると、そのソースファイル名をキーに、ソースを行毎に分割した配列を値にしたハッシュ要素が設定されます。

この定数はデバッガ (debug) などで利用されています。

なお、 $SAFE レベルが 0 でなければ有効にはなりません。また、 Kernel.#eval によるコンパイルは対象にはなりません。

例:

require 'pp'
SCRIPT_LINES__ = {}
require 'English'
pp SCRIPT_LINES__

# => {"/usr/local/lib/ruby/1.6/English.rb"=>
#     ["alias $ERROR_INFO              $!\n",
#      "alias $ERROR_POSITION          $@\n",
#      "alias $LOADED_FEATURES         $\"\n",
#               :
#               :
#      "alias $POSTMATCH               $'\n",
#      "alias $LAST_PAREN_MATCH        $+\n"]}
STDERR -> IO[permalink][rdoc][edit]

標準エラー出力。$stderr のデフォルト値。 $stderr も参照してください。

STDERR は、 ruby プロセスが起動された時点での標準エラー出力を表します。起動時点では $stderr も同じ値に初期化されています。

$stderr に他の出力オブジェクトを代入することで簡易なリダイレクトを実現できます。そして、 $stderr に STDERR を代入すればこのリダイレクトを復元できるわけです。

注意

STDERR は ruby 自体が起動された時点での標準エラー出力です。「システムにおける標準のエラー出力ストリーム」とは異なります。

多くのシステムでは標準のエラー出力ストリームは端末です。 ruby 自体が他のストリームに向けてエラー出力をリダイレクトされた状態で起動された場合、 STDERR が保持するのは端末ではなく、リダイレクト先のストリームです。

STDIN -> IO[permalink][rdoc][edit]

標準入力。$stdin のデフォルト値。 $stdin も参照してください。

STDIN は、 ruby プロセスが起動された時点での標準入力を表します。起動時点では $stdin も同じ値に初期化されています。

$stdin に他の入力オブジェクトを代入することで簡易なリダイレクトを実現できます。そして、 $stdin に STDIN を代入すればこのリダイレクトを復元できるわけです。

注意

STDIN は ruby 自体が起動された時点での標準入力です。「システムにおける標準の入力ストリーム」とは異なります。

多くのシステムでは標準の入力ストリームは端末です。 ruby 自体が他のストリームに向けて入力をリダイレクトされた状態で起動された場合、 STDIN が保持するのは端末ではなく、リダイレクト先のストリームです。

STDOUT -> IO[permalink][rdoc][edit]

標準出力。$stdout のデフォルト値。 $stdout も参照してください。

STDOUT は、 ruby プロセスが起動された時点での標準出力を表します。起動時点では $stdout も同じ値に初期化されています。

$stdout に他の出力オブジェクトを代入することで簡易なリダイレクトを実現できます。そして、 $stdout に STDOUT を代入すればこのリダイレクトを復元できるわけです。

注意

STDOUT は ruby 自体が起動された時点での標準出力です。「システムにおける標準の出力ストリーム」とは異なります。

多くのシステムでは標準の出力ストリームは端末です。 ruby 自体が他のストリームに向けて出力をリダイレクトされた状態で起動された場合、 STDOUT が保持するのは端末ではなく、リダイレクト先のストリームです。

TOPLEVEL_BINDING -> Binding[permalink][rdoc][edit]

トップレベルでの Binding オブジェクト。

詳細は Binding を参照してください。

TRUE -> TrueClass[permalink][rdoc][edit]

非推奨です。代表的な真の値。true と同じ。

この定数は過去との互換性のために提供されています。擬似変数 true を使ってください。

Ruby では false と nil が偽として扱われます。偽でない値(false でも nil でもない値) は全て真とみなされます。