Ruby 1.9.3 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > setライブラリ > Setクラス
クラスの継承リスト: Set < Enumerable < Object < Kernel < BasicObject
集合を表すクラスです。要素の間に順序関係はありません。
self[*ary] -> Set
[permalink][rdoc]与えられたオブジェクトを要素とする新しい集合を作ります。
p Set[1, 2] #=> #<Set: {1, 2}>
new(enum = nil) -> Set
[permalink][rdoc]new(enum = nil) {|o| ... } -> Set
引数 enum で与えられた要素を元に、新しい集合を作ります。
引数を指定しない場合、または引数が nil である場合には、空の集合を 作ります。
引数を与えてブロックを与えない場合、enum の各要素からなる集合を 作ります。
引数とブロックの両方を与えた場合、enum の各要素についてブロックを 評価し、その結果を新しい集合の要素とします。
p Set.new #=> #<Set: {}> p Set.new([1, 2]) #=> #<Set: {1, 2}> p Set.new([1, 2]) {|o| o * 2} #=> #<Set: {2, 4}>
intersection(enum) -> Set
[permalink][rdoc]self & enum -> Set
共通部分、すなわち、2つの集合のいずれにも属するすべての要素からなる 新しい集合を作ります。
s1 = Set[10, 20, 30] s2 = Set[10, 30, 50] p s1 & s2 #=> #<Set: {30, 10}>
union(enum) -> Set
[permalink][rdoc]self + enum -> Set
self | enum -> Set
和集合、すなわち、2 つの集合の少なくともどちらか一方に属するすべての 要素からなる新しい集合を作ります。
p Set[10, 20, 30] + Set[10, 20, 40] #=> #<Set: {40, 30, 20, 10}>
difference(enum) -> Set
[permalink][rdoc]self - enum -> Set
差集合、すなわち、元の集合の要素のうち引数 enum に含まれる要素を取り除いた 新しい集合を作ります。
p Set[10, 20, 30] - Set[10, 20, 40] #=> #<Set: {30}>
add(o) -> self
[permalink][rdoc]self << o -> self
add?(o) -> self | nil
集合にオブジェクト o を加えます。
add は常に self を返します。<< は add の別名です。
add? は、集合に要素が追加された場合には self を、変化がなかった場合には nil を返します。
s = Set[1, 2] s << 10 p s #=> #<Set: {1, 2, 10}> p s.add?(20) #=> #<Set: {1, 2, 20, 10}> p s.add?(2) #=> nil
self == set -> bool
[permalink][rdoc]2 つの集合が等しいときに true を返します。
より厳密には、引数 set が Set オブジェクトであり、selfと set が同数の 要素を持ち、かつそれらの要素がすべて等しい場合に true となります。 それ以外の場合には、false を返します。 要素の等しさは Object#eql? により判定されます。
s1 = Set[10, 20, 30] s2 = Set[10, 30, 40] s3 = Set[30, 10, 30, 20] p s1 == s2 #=> false p s1 == s3 #=> true
self ^ enum -> Set
[permalink][rdoc]対称差、すなわち、2 つの集合のいずれか一方にだけ属するすべての要素からなる 新しい集合を作ります。
s1 = Set[10, 20, 30] s2 = Set[10, 30, 50] p s1 ^ s2 #=> #<Set: {50, 20}>
classify {|o| ... } -> Hash
[permalink][rdoc]集合をブロックの値によって分類し、結果をハッシュとして返します。
ブロックは集合の各要素について実行され、引数 o にはその要素が 渡されます。
生成されるハッシュのキーはブロックの実行結果、値は分類された集合と なります。
numbers = Set[10, 4.5, 20, 30, 31.2] p numbers.classify {|o| o.class} #=> {Float=>#<Set: {4.5, 31.2}>, Fixnum=>#<Set: {30, 20, 10}>}
clear -> self
[permalink][rdoc]集合の要素をすべて削除し、空にした後の self を返します。
p s = Set[10, 20, 30] #=> #<Set: {30, 20, 10}> s.clear p s #=> #<Set: {}>
clone -> Set
[permalink][rdoc]dup -> Set
集合を複製して返します。
dup は、集合の内容と taint 情報のみコピーします。 clone は、それに加えて、freeze 情報と特異メソッドをコピーします。 いずれも共通して、内部記憶として保持するハッシュもコピーしますが、 集合の要素そのものはコピーしません。
Ruby 1.9 の Set クラスでは、dup と clone に共通して、内部記憶として 用いるハッシュも含めて taint 情報をコピーします。 ただし、clone では内部記憶の freeze 情報はコピーされません。 このため、freeze された集合を clone した場合、生成された集合の要素は 変更可能である点に注意してください。
s1 = Set[10, 20] s2 = s1.dup s2 << 30 p s1 #=> #<Set: {20, 10}> p s2 #=> #<Set: {30, 20, 10}>
[SEE_ALSO] Object#clone
collect! {|o| ...} -> self
[permalink][rdoc]map! {|o| ...} -> self
集合の各要素についてブロックを評価し、その結果で元の集合を置き換えます。
set = Set['hello', 'world'] set.map! {|str| str.capitalize} p set #=> #<Set: {"Hello", "World"}>
[SEE_ALSO] Enumerable#collect
delete(o) -> self
[permalink][rdoc]delete?(o) -> self | nil
集合からオブジェクト o を削除します。
delete は常に self を返します。
delete? は、集合の要素が削除された場合には self を、変化がなかった場合 には nil を返します。
s = Set[10, 20, 30] s.delete(10) p s #=> #<Set: {30, 20}> p s.delete?(20) #=> #<Set: {30}> p s.delete?(10) #=> nil
delete_if {|o| ... } -> self
[permalink][rdoc]reject! {|o| ... } -> self | nil
集合の各要素に対してブロックを実行し、その結果が真であるようなすべての 要素を削除します。
delete_if は常に self を返します。
reject! は、要素が 1 つ以上削除されれば self を、1 つも削除されなければ nil を返します。
s1 = Set['hello.rb', 'test.rb', 'hello.rb.bak'] s1.delete_if {|str| str =~ /\.bak$/} p s1 #=> #<Set: {"test.rb", "hello.rb"}> s2 = Set['hello.rb', 'test.rb', 'hello.rb.bak'] p s2.reject! {|str| str =~ /\.bak$/} #=> #<Set: {"test.rb", "hello.rb"}> p s2.reject! {|str| str =~ /\.o$/} #=> nil
[SEE_ALSO] Enumerable#reject
divide {|o| ... } -> Set
[permalink][rdoc]divide {|o1, o2| ... } -> Set
元の集合をブロックで定義される関係で分割し、その結果を集合として返します。
ブロックパラメータが 1 個の場合、block.call(o1) == block.call(o2) が真 ならば、o1 と o2 は同じ分割に属します。
ブロックパラメータが 2 個の場合、block.call(o1, o2) が真ならば、 o1 と o2 は同じ分割に属します。 この場合、block.call(o1, o2) == block.call(o2, o1) が成立しないブロックを与えると期待通りの結果が得られません。
numbers = Set.new(1..6) set = numbers.divide {|i| i % 3} p set #=> #<Set: {#<Set: {5, 2}>, #<Set: {1, 4}>, #<Set: {6, 3}>}>
numbers = Set[1, 3, 4, 6, 9, 10, 11] set = numbers.divide {|i, j| (i - j).abs == 1} p set #=> #<Set: {#<Set: {1}>, # #<Set: {11, 9, 10}>, # #<Set: {3, 4}>, # #<Set: {6}>}>
8x2 のチェス盤上で、ナイトが到達できる位置に関する分類を作成します。
require 'set' board = Set.new m, n = 8, 2 for i in 1..m for j in 1..n board << [i,j] end end knight_move = Set[1,2] p board.divide { |i,j| Set[(i[0] - j[0]).abs, (i[1] - j[1]).abs] == knight_move } #=> #<Set: {#<Set: {[6, 2], [4, 1], [2, 2], [8, 1]}>, # #<Set: {[2, 1], [8, 2], [6, 1], [4, 2]}>, # #<Set: {[1, 1], [3, 2], [5, 1], [7, 2]}>, # #<Set: {[1, 2], [5, 2], [3, 1], [7, 1]}>}>
each {|o| ... } -> self
[permalink][rdoc]集合の各要素についてブロックを実行します。
s = Set[10, 20] ary = [] s.each {|num| ary << num + 1} p ary #=> [21, 11]
empty? -> bool
[permalink][rdoc]集合が要素を 1 つも持たないときに true を返します。
p Set[10, 20].empty? #=> false p Set[].empty? #=> true
flatten -> Set
[permalink][rdoc]flatten! -> self | nil
集合を再帰的に平坦化します。
flatten は、平坦化した集合を新しく作成し、それを返します。
flatten! は、元の集合を破壊的に平坦化します。集合の要素に変更が 発生した場合には self を、そうでない場合には nil を返します。
s = Set[Set[1,2], 3] p s.flatten #=> #<Set: {1, 2, 3}> p s #=> #<Set: {#<Set: {1, 2}>, 3}> s.flatten! p s #=> #<Set: {1, 2, 3}>
[SEE_ALSO] Array#flatten
include?(o) -> bool
[permalink][rdoc]member?(o) -> bool
オブジェクト o がその集合に属する場合に true を返します。
set = Set['hello', 'world'] p set.include?('world') #=> true p set.include?('bye') #=> false
inspect -> String
[permalink][rdoc]人間の読みやすい形に表現した文字列を返します。
puts Set.new(['element1', 'element2']).inspect #=> #<Set: {"element1", "element2"}>
keep_if {|element| ... } -> self
[permalink][rdoc]各要素に対してブロックを評価し、その結果が偽であった要素を self から削除します。
size -> Integer
[permalink][rdoc]length -> Integer
集合の要素数を返します。
p Set[10, 20, 30, 10].size #=> 3
merge(enum) -> self
[permalink][rdoc]元の集合に enum で与えられた要素を追加します。
引数 enum には each メソッドが定義されている必要があります。
set = Set[10, 20] set.merge([10, 30]) p set #=> #<Set: {30, 20, 10}>
subset?(set) -> bool
[permalink][rdoc]proper_subset?(set) -> bool
self が集合 set の部分集合である場合に true を返します。
subset? は、2 つの集合が等しい場合にも true となります。
proper_subset? は、2 つの集合が等しい場合には false を返します。
s = Set[1, 2] p s.subset?(Set[1, 2, 3]) #=> true p s.subset?(Set[1, 4]) #=> false p s.subset?(Set[1, 2]) #=> true p s.proper_subset?(Set[1, 2, 3]) #=> true p s.proper_subset?(Set[1, 4]) #=> false p s.proper_subset?(Set[1, 2]) #=> false
[SEE_ALSO] Set#superset?
superset?(set) -> bool
[permalink][rdoc]proper_superset?(set) -> bool
self が集合 set の上位集合 (スーパーセット) である場合に true を 返します。
superset? は、2 つの集合が等しい場合にも true となります。
proper_superset? は、2 つの集合が等しい場合には false を返します。
s = Set[1, 2, 3] p s1.superset?(Set[1, 2]) #=> true p s1.superset?(Set[1, 4]) #=> false p s1.superset?(Set[1, 2, 3]) #=> true p s.proper_superset?(Set[1, 2]) #=> true p s.proper_superset?(Set[1, 4]) #=> false p s.proper_superset?(Set[1, 2, 3]) #=> false
[SEE_ALSO] Set#subset?
replace(enum) -> self
[permalink][rdoc]集合の要素をすべて削除し、enum で与えられた要素に置き換えます。
引数 enum には each メソッドが定義されている必要があります。
p s = Set[10, 20, 30] #=> #<Set: {30, 20, 10}> s.replace([15, 25]) p s #=> #<Set: {25, 15}>
select! {|element| ... } -> self | nil
[permalink][rdoc]各要素に対してブロックを評価し、その結果が偽であった要素を self から削除します。
subtract(enum) -> self
[permalink][rdoc]元の集合から、enum で与えられた要素を削除します。
引数 enum には each メソッドが定義されている必要があります。
set = Set[10, 20, 40] set.subtract([10, 20, 30]) p set #=> #<Set: {40}>
to_a -> Array
[permalink][rdoc]self を配列に変換します。要素の順序は不定です。
set = Set['hello', 'world'] p set.to_a #=> ["hello", "world"]