mode(s) -> Integer | nil
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BigDecimal の計算処理の制御方法を設定、確認します。
第2引数を省略、または nil を指定すると現状の設定値を返します。
- [PARAM] s:
- 制御方法の設定、確認を行う項目を BigDecimal::EXCEPTION_*、 BigDecimal::ROUND_MODE のいずれかで指定します。
- [PARAM] v:
- 引数 s が BigDecimal::ROUND_MODE の場合は BigDecimal::ROUND_MODE 以外の BigDecimal::_ROUND* のいずれかを指定します。指定した丸め処理が有効になります。それ以外の場合は、true、false、nil のいずれかを指定します。 true を指定した場合は設定値が有効になり、false を指定した場合は設定値が無効になります。
- [EXCEPTION] TypeError:
- 引数 s に有効でない値を指定した場合に発生します。
- [EXCEPTION] ArgumentError:
- 引数 s に例外処理に関する値を指定し、引数 v に true、false 以外の値を指定した場合に発生します。
以下の使用方法が定義されています。
例外処理
計算結果が非数(NaN)やゼロによる除算になったときの処理を定義することができます。
require 'bigdecimal' flag = false # デフォルト値 f = BigDecimal::mode(BigDecimal::EXCEPTION_NaN,flag) f = BigDecimal::mode(BigDecimal::EXCEPTION_INFINITY,flag) f = BigDecimal::mode(BigDecimal::EXCEPTION_UNDERFLOW,flag) f = BigDecimal::mode(BigDecimal::EXCEPTION_OVERFLOW,flag) f = BigDecimal::mode(BigDecimal::EXCEPTION_ZERODIVIDE,flag) f = BigDecimal::mode(BigDecimal::EXCEPTION_ALL,flag)
- BigDecimal::EXCEPTION_NaN は結果が NaN になったときの指定です。
- BigDecimal::EXCEPTION_INFINITY は結果が無限大(±Infinity)になったときの指定です。
- BigDecimal::EXCEPTION_UNDERFLOW は指数部がアンダーフローするときの指定です。
- BigDecimal::EXCEPTION_OVERFLOW は指数部がオーバーフローするときの指定です。
- BigDecimal::EXCEPTION_ZERODIVIDE はゼロによる割り算を実行したときの指定です。
- BigDecimal::EXCEPTION_ALL は、可能な全てに対して一括して設定するときに使用します。
flag が true のときは、指定した状態になったときに例外を発行するようになります。 flag が false(デフォルト)なら、例外は発行されません。計算結果は以下のようになります。
- BigDecimal::EXCEPTION_NaN のとき、非数(NaN)
- BigDecimal::EXCEPTION_INFINITY のとき、無限(+ or -Infinity)
- BigDecimal::EXCEPTION_UNDERFLOW のとき、ゼロ
- BigDecimal::EXCEPTION_OVERFLOW のとき、+Infinity か -Infinity
- BigDecimal::EXCEPTION_ZERODIVIDE のとき、+Infinity か -Infinity
BigDecimal::EXCEPTION_INFINITY、BigDecimal::EXCEPTION_OVERFLOW、 BigDecimal::EXCEPTION_ZERODIVIDE は今のところ同じです。戻り値は、設定後の値です。「値」の意味は、例えば BigDecimal::EXCEPTION_NaN と「値」の & が ゼロ以外ならば BigDecimal::EXCEPTION_NaNが設定されているという意味です。
丸め処理指定
計算途中の丸め操作の指定ができます。
require 'bigdecimal' flag = BigDecimal::ROUND_HALF_UP # デフォルト値 f = BigDecimal::mode(BigDecimal::ROUND_MODE,flag)
の形式で指定します。ここで、flag は以下(括弧内は対応するインスタンスメソッド)の一つを指定します。
- BigDecimal::ROUND_UP 全て切り上げます。
- BigDecimal::ROUND_DOWN 全て切り捨てます(truncate)。
- BigDecimal::ROUND_HALF_UP 四捨五入します(デフォルト)。
- BigDecimal::ROUND_HALF_DOWN 五捨六入します。
- BigDecimal::ROUND_HALF_EVEN 四捨六入します。5の時は上位1桁が奇数の時のみ繰り上げます(Banker's rounding)。
- BigDecimal::ROUND_CEILING 数値の大きい方に繰り上げます(ceil)。
- BigDecimal::ROUND_FLOOR 数値の小さい方に繰り下げます(floor)。
戻り値は指定後の flag の値です。第2引数に nil を指定すると、現状の設定値が返ります。 mode メソッドでは丸め操作の位置をユーザが指定することはできません。丸め操作と位置を自分で制御したい場合は BigDecimal::limit や truncate/round/ceil/floor、 add/sub/mult/div といったインスタンスメソッドを使用して下さい。