module function Kernel.#exec

exec(command, options={}) -> ()[permalink][rdoc]
exec(env, command, options={}) -> ()

引数で指定されたコマンドを実行します。

プロセスの実行コードはそのコマンド(あるいは shell)になるので、起動に成功した場合、このメソッドからは戻りません。

引数の解釈

この形式では command が shell のメタ文字

  * ? {} [] <> () ~ & | \ $ ; ' ` " \n

を含む場合、shell 経由で実行されます。そうでなければインタプリタから直接実行されます。

[PARAM] command:
コマンドを文字列で指定します。
[PARAM] env:
更新する環境変数を表す Hash
[PARAM] options:
オプションパラメータ Hash
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
起動に失敗し、ruby インタプリタに制御が戻った場合に発生します。
# a.rb
puts '実行前'
exec 'echo "実行中"'
puts '実行後'

上記のスクリプトを実行すると以下のようになります。

$ ruby a.rb
実行前
実行中
# '実行後' は表示されない
exec(program, *args, options={}) -> ()[permalink][rdoc]
exec(env, program, *args, options={}) -> ()

引数で指定されたコマンドを実行します。

プロセスの実行コードはそのコマンド(あるいは shell)になるので、起動に成功した場合、このメソッドからは戻りません。

この形式では、常に shell を経由せずに実行されます。

exec(3) でコマンドを実行すると、元々のプログラムの環境をある程度(ファイルデスクリプタなど)引き継ぎます。 Hash を options として渡すことで、この挙動を変更できます。詳しくは Kernel.#spawn を参照してください。

引数の解釈

この形式で呼び出した場合、空白や shell のメタキャラクタもそのまま program の引数に渡されます。先頭の引数が2要素の配列であった場合、第1要素の文字列が実際に起動するプログラムのパスであり、第2要素が「みせかけ」のプログラム名になります。また、第1要素はフルパスで指定しなくても環境変数 PATH から探します。

[PARAM] program:
文字列か2要素の配列を指定します。
[PARAM] args:
渡される引数です。0 個以上の文字列を指定します。
[PARAM] env:
更新する環境変数を表す Hash
[PARAM] options:
オプションパラメータ Hash
[EXCEPTION] ArgumentError:
第一引数が配列かつ要素数が 2 でない場合に発生します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
起動に失敗し、ruby インタプリタに制御が戻った場合に発生します。

# a.rb
exec ['sleep', 'mysleep'], '600'

上記スクリプトを実行すると以下のようになります。

$ ruby a.rb
## sleep してるので制御が戻ってこない。別の仮想端末に切替えて以下を実行
$ ps aux|grep sleep
xxxx    32754  0.0  0.0   2580   468 pts/3    S+   22:01   0:00 mysleep 600
xxxx    32761  0.0  0.0   2824   792 pts/6    S+   22:01   0:00 grep sleep

[SEE_ALSO] Kernel.#system,Kernel.#`,Kernel.#spawn,Kernel.#fork,IO.popen,IO.pipe,Kernel.#open,exec(3)