instance method IO#readpartial

readpartial(maxlen, outbuf = "") -> String[permalink][rdoc]

IO から長さ maxlen を上限として読み込み、文字列として返します。即座に得られるデータが存在しないときにはブロックしてデータの到着を待ちます。即座に得られるデータが 1byte でも存在すればブロックしません。

バイナリ読み込みメソッドとして動作します。

既に EOF に達していれば EOFError が発生します。ただし、maxlen に 0 が指定されている場合は、空文字列 "" を返します。

readpartial はブロックを最小限に抑えることによって、パイプ、ソケット、端末などのストリームに対して適切に動作するよう設計されています。 readpartial がブロックするのは次の全ての条件が満たされたときだけです。

これらの条件が満たされる場合、何らかのデータが到着するか EOF になるまで readpartial はブロックします。

readpartial の結果は以下のようになります。

  1. バッファが空でなければ、そのバッファのデータを読み込んで返します。
  2. ストリームにデータがあれば、ストリームからデータを読み込んで返します。
  3. ストリームが EOF になっていれば、例外 EOFError を発生させます。

例えば、パイプに対しては次のように動作します。

r, w = IO.pipe           #               buffer          pipe content
w << "abc"               #               ""              "abc".
r.readpartial(4096)      #=> "abc"       ""              ""
r.readpartial(4096)      # バッファにもパイプにもデータがないのでブロックする

r, w = IO.pipe           #               buffer          pipe content
w << "abc"               #               ""              "abc"
w.close                  #               ""              "abc" EOF
r.readpartial(4096)      #=> "abc"       ""              EOF
r.readpartial(4096)      # 例外 EOFError 発生

r, w = IO.pipe           #               buffer          pipe content
w << "abc\ndef\n"        #               ""              "abc\ndef\n"
r.gets                   #=> "abc\n"     "def\n"         ""
w << "ghi\n"             #               "def\n"         "ghi\n"
r.readpartial(4096)      #=> "def\n"     ""              "ghi\n"
r.readpartial(4096)      #=> "ghi\n"     ""              ""

なお、readpartial は nonblock フラグに影響されません。つまり、nonblock フラグが設定されていて sysread であれば Errno::EAGAIN になる場合でもブロックします。

また、readpartial の挙動は sysread によく似ています。とくに、バッファが空の場合には同じ挙動を示します。ただし、EAGAIN および EINTR エラーは内部で発生したとしても通知されず、データが到着するまでブロックし続けます。

[PARAM] maxlen:
読み込む長さの上限を整数で指定します。
[PARAM] outbuf:
文字列で指定します。IO#readpartial は読み込んだデータを outbuf に破壊的に格納し、返り値は outbuf となります。outbuf は一旦 maxlen 長に拡張(あるいは縮小)されたあと、実際に読み込んだデータのサイズになります。IO が既に EOF に達していれば、空文字列になります。
[EXCEPTION] IOError:
自身が読み込み用にオープンされていなければ発生します。
[EXCEPTION] EOFError:
IO が既に EOF に達していれば発生します。