module Mutex_m

要約

スレッド同期機構である Thread::Mutex のモジュール版です。クラスに Module#include することでそのクラスに Mutex 機能を持たせることができます。また、普通のオブジェクトを Object#extend により Mutex にする事ができます。

このモジュールによるロックは再入不可能です。再入可能な同等品が必要な場合は Sync_m の利用を考えてください。

「mu_」の付かないメソッド(Mutex_m#lock, Mutex_m#synchronize, Mutex_m#locked?, Mutex_m#try_lock, Mutex_m#unlock) はモジュールにincludeした場合には定義されません。

[ruby-list:1991]

クラスに Module#include する例

require "mutex_m"
class Foo
  include Mutex_m
  ...
end
obj = Foo.new
obj.synchronize do
  # 危険領域(critical section)
  ...
end

オブジェクトに Object#extend する例

require "mutex_m"
obj = Object.new
obj.extend(Mutex_m)
obj.lock
# 危険領域(critical section)
...
obj.unlock

目次

特異メソッド
インスタンスメソッド

特異メソッド

append_features(klass) -> Class | nil[permalink][rdoc]

ユーザが直接、使うことはありません。

[SEE_ALSO] Module#append_features

define_aliases(klass) -> Class[permalink][rdoc]

ユーザが直接、使うことはありません。

extend_object(module) -> Module[permalink][rdoc]

ユーザが直接、使うことはありません。

[SEE_ALSO] Module#extend_object

インスタンスメソッド

mu_lock -> ()[permalink][rdoc]
lock -> ()

self をロックします。一度にひとつのスレッドしかロックできません。既にロックされている mutex に対してロックを行おうとしたスレッドはロックが解放されるまで、実行が停止されます。

mu_locked? -> bool[permalink][rdoc]
locked? -> bool

self がロックされている時、真を返します。

mu_extended -> Mutex[permalink][rdoc]

Mutex_m.extend_object から呼び出されます。ユーザが直接使うことはありません。

mu_synchronize { ... } -> object[permalink][rdoc]
synchronize { ... } -> object

self のロックを取得し、ブロックを実行します。実行後に必ずロックを解放します。

ブロックで最後に評価した値を返します。

mu_try_lock -> bool[permalink][rdoc]
try_lock -> bool

self をロックしようとして、成功した場合、真を返し、ロックを得ます。

ロックできなかった場合にはブロックせず偽を返します。

mu_unlock -> ()[permalink][rdoc]
unlock -> ()

ロックを解放します。ロック待ちになっていたスレッドの実行は再開されます。

[EXCEPTION] ThreadError:
ロックされていない場合に unlock を呼ぶと発生します