Ruby 2.4.0 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > 組み込みライブラリ > Thread::Mutexクラス

class Thread::Mutex

クラスの継承リスト: Thread::Mutex < Object < Kernel < BasicObject
aliases: Mutex

要約

Mutex(Mutal Exclusion = 相互排他ロック)は共有データを並行アクセスから保護する ためにあります。Mutex の典型的な使い方は(m を Mutex オブジェクトとします):

m.lock
begin
  # m によって保護されたクリティカルセクション
ensure
  m.unlock
end

または、より簡単に

m.synchronize {
  # m によって保護されたクリティカルセクション
}

目次

特異メソッド
new
インスタンスメソッド
lock locked? owned? sleep synchronize try_lock unlock

特異メソッド

new -> Mutex[permalink][rdoc]

新しい mutex を生成して返します。

インスタンスメソッド

lock -> self[permalink][rdoc]

mutex オブジェクトをロックします。一度に一つのス レッドだけが mutex をロックできます。既にロックされている mutex に対してロックを行おうとしたスレッドは mutex のロックが解放さ れるまで、実行が停止されます。

[EXCEPTION] ThreadError:
self 既にカレントスレッドにロックされている場合に発 生します。 また、Signal.#trap に指定したハンドラ内で実行 した場合に発生します。
locked? -> bool[permalink][rdoc]

mutex がロックされている時、真を返します。

owned? -> bool[permalink][rdoc]

self がカレントスレッドによってロックされている場合に true を返します。 そうでない場合に false を返します。

sleep(timeout = nil) -> self[permalink][rdoc]

与えられた秒数の間スリープしてからロックを解放します。

[PARAM] timeout:
スリープする秒数を指定します。省略するとスリープし続けます。
[EXCEPTION] ThreadError:
自身がカレントスレッドによってロックされていない場合に発生します。

[注意] 2.0 以降ではスリープ中でも、シグナルを受信した場合などに実行が再 開(spurious wakeup)される場合がある点に注意してください。

synchronize { ... } -> object[permalink][rdoc]

mutex をロックし、ブロックを実行します。実行後に必ず mutex のロックを解放します。

ブロックが最後に評価した値を返します。

[EXCEPTION] ThreadError:
self 既にカレントスレッドにロックされている場合に発 生します。 また、Signal.#trap に指定したハンドラ内で実行 した場合に発生します。
try_lock -> bool[permalink][rdoc]

mutex をロックしようとして、ロックが成功した場合、真を返します。 ロックできなかった場合にはブロックせず偽を返します。

unlock -> self[permalink][rdoc]

mutex のロックを解放します。mutex のロック待ちになっていたスレッドの実行は再開されます。

[RETURN]
self を返します。

例:

m = Mutex.new
begin
  m.lock
  # critical part
ensure
  m.unlock
end

Mutex はロックしたスレッド以外からロックを開放することは出来ません。 ロックしたスレッド以外から unlock が呼ばれると ThreadError が発生します。

m = Mutex.new
m.lock
Thread.new do
  m.unlock # => ThreadError
end.join
[EXCEPTION] ThreadError:
self がロックされていない場合や self をロックしたス レッド以外から呼ばれた場合に発生します。 また、Signal.#trap に指定したハンドラ内で実行 した場合に発生します。