Ruby 2.1.0 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > 組み込みライブラリ > Marshalモジュール
クラスの継承リスト: Marshal
Ruby オブジェクトをファイル(または文字列)に書き出したり、読み戻したり する機能を提供するモジュール。
大部分のクラスのインスタンスを書き出す事ができますが、書き出しの不可能なクラスも存在します(Marshal.#dump を参照)。
ここで「マーシャルデータ」と言う用語は、Marshal.#dump が出力する文字列 を指すものとします。
dump(obj, port, limit = -1) -> IO
[permalink][rdoc]dump(obj, limit = -1) -> String
obj を指定された出力先に再帰的に出力します。
ファイルに書き出せないオブジェクトをファイルに書き出そうとすると 例外 TypeError が発生します。 ファイルに書き出せないオブジェクトは以下の通りです。
また、これらのオブジェクトを間接的に指すオブジェクトなども書き出せ ません。例えば、デフォルト値を求めるブロックを持った Hash は Proc を間接的に指していることになります。
p Marshal.dump(Hash.new {}) => -:1:in `dump': cannot dump hash with default proc (TypeError)
マーシャルの動作を任意に定義することもできます。
[SEE_ALSO] Object#marshal_dump, Object#marshal_load
load(port, proc = nil) -> object
[permalink][rdoc]restore(port, proc = nil) -> object
port からマーシャルデータを読み込んで、元のオブジェクトと同 じ状態をもつオブジェクトを生成します。
proc として手続きオブジェクトが与えられた場合には読み込んだ オブジェクトを引数にその手続きを呼び出します。
str = Marshal.dump(["a", 1, 10 ** 10, 1.0, :foo]) p Marshal.load(str, proc {|obj| p obj}) => "a" 1 10000000000 1.0 :foo ["a", 1, 10000000000, 1.0, :foo] ["a", 1, 10000000000, 1.0, :foo]
MAJOR_VERSION -> Fixnum
[permalink][rdoc]MINOR_VERSION -> Fixnum
Marshal.#dump が出力するデータフォーマットのバージョン番号です。
Marshal.#load は、メジャーバージョンが異なるか、バージョンの大きな マーシャルデータを読み込んだとき例外 TypeError を発生させます。
マイナーバージョンが古いだけのフォーマットは読み込み可能ですが、 $VERBOSE = true のときには警告メッセージが出力されます
マーシャルされたデータのバージョン番号は以下のようにして取得するこ とができます。
obj = Object.new major, minor = Marshal.dump(obj).unpack("cc") p [major, minor]