Ruby 2.1.0 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > 組み込みライブラリ > Dirクラス
クラスの継承リスト: Dir < Enumerable < Object < Kernel < BasicObject
ディレクトリの操作を行うためのクラスです。
self[*pattern] -> [String]
[permalink][rdoc]glob(pattern, flags = 0) -> [String]
glob(pattern, flags = 0) {|file| ...} -> nil
ワイルドカードの展開を行い、 パターンにマッチするファイル名を文字列の配列として返します。 パターンにマッチするファイルがない場合は空の配列を返します。
ブロックが与えられたときはワイルドカードにマッチしたファイルを 引数にそのブロックを 1 つずつ評価して nil を返します
Dir.glob("*") #=> ["bar", "foo"] Dir.glob("*", File::FNM_DOTMATCH) #=> [".", "..", "bar", "foo"]
ワイルドカードには以下のものがあります。これらはバックスラッシュに よりエスケープすることができます。ダブルクォートの文字列中では 2 重にエスケープする必要があることに注意してください。 ワイルドカードはデフォルトではファイル名の先頭の "." にマッチしません。
空文字列を含む任意の文字列と一致します。
任意の一文字と一致します。
鈎括弧内のいずれかの文字と一致します。- でつな がれた文字は範囲を表します。鈎括弧の中の最初の文字が ^ である時には含まれない文字と一致します。 ^ の代わりに ksh や POSIX shell のように ! も同じ意 味で使えます。
コンマで区切られた文字列の組合せに展開します。例えば、 foo{a,b,c} は fooa, foob, fooc に展開されそれぞれに対してマッチ判定を行います。
括弧は入れ子にすることができます。例えば、 {foo,bar{foo,bar}} は foo, barfoo, barbar のそれぞれにマッチします。
ワイルドカード */ の0回以上の繰り返しを意味し、 ディレクトリを再帰的にたどってマッチを行います。 例えば, foo/**/bar は foo/bar, foo/*/bar, foo/*/*/bar ... (以下無限に続く)に対してそれぞれ マッチ判定を行います。
例:
# 一般的な例 p Dir.glob("*") #=> ["foo", "bar", "baz"] p Dir.glob("./b*") #=> ["./bar", "./baz"] 先頭に "./" が付いている。 p Dir.glob("*/") #=> ["foo/"] ディレクトリのみにマッチする。 p Dir.glob("wrong_name") #=> [] マッチしないと空の配列を返す。 Dir.glob("b*") {|f| p f } #=> "bar" "baz" # 複数のパターンを指定する例 p Dir.glob("f*\0b*") # => ["foo", "bar"] p Dir.glob(["f*", "b*"]) # => ["foo", "bar"] p Dir["f*", "b*"] # => ["foo", "bar"] # ワイルドカードの例 Dir.glob("*") #=> ["foo", "bar"] Dir.glob("fo?") #=> ["foo"] Dir.glob("[^f]*") #=> ["bar"] Dir.glob("{b,f}*") #=> ["bar", "foo"]
chdir -> 0
[permalink][rdoc]chdir(path) -> 0
chdir {|path| ... } -> object
chdir(path) {|path| ... } -> object
カレントディレクトリを path に変更します。
path を省略した場合、環境変数 HOME または LOGDIR が設定されていればそのディレクトリに移動します。 カレントディレクトリの変更に成功すれば 0 を返します。
ブロックが指定された場合、カレントディレクトリの変更はブロックの実行中に限 られます。ブロックの実行結果を返します。
例:
Dir.chdir("/var/spool/mail") p Dir.pwd #=> "/var/spool/mail" Dir.chdir("/tmp") do p Dir.pwd #=> "/tmp" end p Dir.pwd #=> "/var/spool/mail"
chroot(path) -> 0
[permalink][rdoc]ルートディレクトリを path に変更します。
スーパーユーザだけがルートディレクトリを変更できます。 ルートディレクトリの変更に成功すれば 0 を返します。 各プラットフォームのマニュアルの chroot の項も参照して下さい。
例:
p Dir.glob("*") #=> ["file1", "file2] Dir.chroot("./") p Dir.glob("/*") #=> ["/file1", "/file2]
[SEE_ALSO] http://opengroup.org/onlinepubs/007908799/xsh/chroot.html
delete(path) -> 0
[permalink][rdoc]rmdir(path) -> 0
unlink(path) -> 0
ディレクトリを削除します。ディレクトリは空でなければいけませ ん。ディレクトリの削除に成功すれば 0 を返します。
例:
Dir.delete("/tmp/hoge-jbrYBh.tmp")
entries(path) -> [String]
[permalink][rdoc]entries(path, encoding: enc) -> [String]
ディレクトリ path に含まれるファイルエントリ名の 配列を返します。
例:
Dir.entries('.') #=> [".", "..", "bar", "foo"]
exist?(file_name) -> bool
[permalink][rdoc]file_name で与えられたディレクトリが存在する場合に真を返します。 そうでない場合は、偽を返します。
Dir.exist?(".") # => true Dir.exists?(".") # => true File.directory?(".") # => true
[SEE_ALSO] File.directory?
exists?(file_name) -> bool
[permalink][rdoc]このメソッドは deprecated です。Dir.exist? を使用してください。
foreach(path) {|file| ...} -> nil
[permalink][rdoc]foreach(path, encoding: enc) {|file| ...} -> nil
foreach(path) -> Enumerator
foreach(path, encoding: enc) -> Enumerator
ディレクトリ path の各エントリを表す文字列を引数として、ブロックを評価します。
ブロックが与えられなかった場合、各エントリを文字列として保持する Enumerator オブジェクトを返します。
例:
Dir.foreach('.'){|f| p f } #=> "." ".." "bar" "foo"
getwd -> String
[permalink][rdoc]pwd -> String
カレントディレクトリのフルパスを文字列で返します。
例:
Dir.chdir("/tmp") #=> 0 Dir.getwd #=> "/tmp"
home -> String | nil
[permalink][rdoc]home(user) -> String | nil
現在のユーザまたは指定されたユーザのホームディレクトリを返します。
Dir.home や Dir.home("root") は File.expand_path("~") や File.expand_path("~root") と ほぼ同じです。
[SEE_ALSO] File.expand_path
mkdir(path, mode = 0777) -> 0
[permalink][rdoc]path で指定された新しいディレクトリを作ります。パーミッションは mode で指定された値に umask をかけた値 (mode & ~umask) になります。 mkdir(2) も参照して下さい。 ディレクトリの作成に成功すれば 0 を返します。
例:
p File.umask #=> 2 Dir.mkdir('t', 0666) p "%#o" % (07777 & File.stat('t').mode) #=> "0664"
[SEE_ALSO] FileUtils.#makedirs
new(path) -> Dir
[permalink][rdoc]new(path, encoding: enc) -> Dir
open(path) -> Dir
open(path, encoding: enc) -> Dir
open(path) {|dir| ...} -> object
open(path, encoding: enc) {|dir| ...} -> object
path に対するディレクトリストリームをオープンして返します。
ブロックを指定して呼び出した場合は、ディレクトリストリームを 引数としてブロックを実行します。ブロックの実行が終了すると、 ディレクトリは自動的にクローズされます。 ブロックの実行結果を返します。
close -> nil
[permalink][rdoc]ディレクトリストリームをクローズします。以降のディレクトリに 対する操作は例外 IOError を発生させます。 クローズに成功すれば nil を返します。
each {|item| ... } -> self
[permalink][rdoc]each -> Enumerator
ディレクトリの各エントリを表す文字列を引数として、ブロックを評価します。
ブロックが与えられなかった場合、各エントリを文字列として保持する Enumerator オブジェクトを返します。
例:
Dir.open('.').each{|f| p f } #=> "." ".." "bar" "foo"
inspect -> String
[permalink][rdoc]self の情報を人間に読みやすい文字列にして返します。
path -> String
[permalink][rdoc]to_path -> String
オープンしているディレクトリのパス名を文字列で返します。
pos -> Integer
[permalink][rdoc]tell -> Integer
ディレクトリストリームの現在の位置を整数で返します。
例:
Dir.open("/tmp") {|d| d.each {|f| p d.pos } }
pos=(pos)
[permalink][rdoc]seek(pos) -> self
ディレクトリストリームの読み込み位置を pos に移動させます。 pos は Dir#tell で与えられた値でなければなりま せん。
例:
d = Dir.new("testdir") #=> #<Dir:0x401b3c40> d.read #=> "." i = d.tell #=> 12 d.read #=> ".." d.seek(i) #=> #<Dir:0x401b3c40> d.read #=> ".."
read -> String | nil
[permalink][rdoc]ディレクトリストリームから次の要素を読み出して返します。最後の要素 まで読み出していれば nil を返します。
rewind -> self
[permalink][rdoc]ディレクトリストリームの読み込み位置を先頭に移動させます。
例:
d = Dir.new("testdir") d.read #=> "." d.rewind #=> #<Dir:0x401b3fb0> d.read #=> "."