Ruby 1.8.7 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > 組み込みライブラリ > ENVオブジェクト
クラスの継承リスト: ENV
extend: Enumerable
環境変数を表すオブジェクト。Hash と同様のインターフェースを持ち ます。ただし、Hash と異なり、ENV のキーと値には文字列しか とることができません。
ENV で得られる文字列は ENV['PATH'] を除いて汚染されていま す。オブジェクトの汚染に関しては セキュリティモデル を参照して下さい。 ENV['PATH'] はその要素が誰でも書き込み可能なディレクトリを含ん でいる場合に限り汚染されます。
例:
p ENV['TERM'].tainted? # => true p path = ENV['PATH'] # => "/usr/local/bin:/usr/bin:/bin:/usr/X11/bin" p path.tainted? # => false
また、ENV で得られる文字列は Object#freeze されています。
例:
p ENV['TERM'].frozen? # => true
Windows では環境変数は大文字、小文字を区別しません。(cygwin を除く)
例:
ENV['OS'] # => Windows_NT ENV['os'] # => Windows_NT
self[key] -> String
[permalink][rdoc]key に対応する環境変数の値を返します。該当する環境変数が存在 しない時には nil を返します。
self[key] = value
[permalink][rdoc]store(key, value) -> String
key に対応する環境変数の値を value にします。 value が nil の時、key に対応する環境変数を取り除きます。
clear -> self
[permalink][rdoc]環境変数をすべてクリアします。self を返します。
delete(key) -> String | nil
[permalink][rdoc]delete(key) {|key| ... } -> String | nil
key に対応する環境変数を取り除きます。取り除かれた環境変数の 値を返しますが、key に対応する環境変数が存在しない時には nil を返します。
ブロックが与えられた時には key にマッチするものがなかった時 に評価されます。
delete_if {|key, value| ... } -> ENV
[permalink][rdoc]reject! {|key, value| ... } -> ENV | nil
delete_if -> Enumerable::Enumerator
reject! -> Enumerable::Enumerator
key と value を引数としてブロックを評価した値が真であ る時、環境変数を削除します。
reject! は要素に変化がなければ nil を返します。
each -> Enumerable::Enumerator
[permalink][rdoc]each_pair -> Enumerable::Enumerator
each {|key, value| ... } -> self
each_pair {|key, value| ... } -> self
key と value を引数としてブロックを評価します。
each_key -> Enumerable::Enumerator
[permalink][rdoc]each_key {|key| ... } -> self
key を引数としてブロックを評価します。
each_value -> Enumerable::Enumerator
[permalink][rdoc]each_value {|value| ... } -> self
value を引数としてブロックを評価します。
empty? -> bool
[permalink][rdoc]環境変数がひとつも定義されていない時真を返します。
fetch(key) -> String
[permalink][rdoc]fetch(key, default) -> String
fetch(key) {|key| ... } -> String
key に関連づけられた値を返します。該当するキーが登録されてい ない時には、引数 default が与えられていればその値を、ブロッ クが与えられていればそのブロックを評価した値を返します。そのいずれ でもなければ例外が発生します。
has_key?(key) -> bool
[permalink][rdoc]include?(key) -> bool
key?(key) -> bool
member?(key) -> bool
key で指定される環境変数が存在する時、真を返します。
has_value?(val) -> bool
[permalink][rdoc]value?(val) -> bool
val を値として持つ環境変数が存在する時、真を返します。
index(val) -> String | nil
[permalink][rdoc]val に対応するキーを返します。対応する要素が存在しない時には nil を返します。
indexes(*key) -> [String]
[permalink][rdoc]indices(*key) -> [String]
このメソッドは obsolete です。 使用すると警告メッセージが表示されます。 代わりに ENV.values_at を使用します。
引数で指定された名前の環境変数の値の配列を返します。
inspect -> String
[permalink][rdoc]ENV オブジェクトを文字列化します。 Hash#inspect と同じように動作します。
invert -> Hash
[permalink][rdoc]環境変数の値をキー、名前を値とした Hash を生成して返します。
keys -> [String]
[permalink][rdoc]全環境変数の名前の配列を返します。
length -> Fixnum
[permalink][rdoc]size -> Fixnum
環境変数の数を返します。
rehash -> nil
[permalink][rdoc]何もしません。nilを返します。
reject -> Enumerable::Enumerator
[permalink][rdoc]reject {|key, value| ... } -> Hash
環境変数のうち、ブロックを評価した値が真であるものをとり除きます。 Enumerable#reject と異なり Hash を返します。また、とり除いた結果 は実際の環境変数に影響を与えません。
replace(hash) -> ENV
[permalink][rdoc]環境変数を hash と同じ内容に変更します。 self を返します。
select -> Enumerable::Enumerator
[permalink][rdoc]select {|key, value| ... } -> [[String, String]]
環境変数名と値についてブロックを評価し、真を返したものを集めた配列を返 します。配列の各要素は配列となり、第一要素が変数名、第二要素が値になり ます。
shift -> [String, String]
[permalink][rdoc]環境変数を一つ取り除いて、それを名前と値の組の配列で返します。 環境変数が一つも設定されていなければ nil を返します。
to_a -> [[String, String]]
[permalink][rdoc]環境変数から [変数名, 値] となる 2 要素の配列の配列を生成します。
to_hash -> Hash
[permalink][rdoc]環境変数の名前をキーとし、対応する値をもつハッシュを返します。
to_s -> String
[permalink][rdoc]環境変数を文字列化します。 Hash#to_s と同じように動作します。
update(other) -> ENV
[permalink][rdoc]ハッシュ other の内容を環境変数にマージします。重複するキー に対応する値は other の内容で上書きされます。
self を返します。
values -> [String]
[permalink][rdoc]環境変数の全値の配列を返します。
values_at(*key) -> [String]
[permalink][rdoc]引数で指定されたキー(環境変数名)に対応する値の配列を返します。存在 しないキーに対しては nil が対応します。 ENV.indexes と ENV.indices と同じです。
例:
ENV.update({'FOO','foo', 'BAR','bar'}) p ENV.values_at(*%w(FOO BAR BAZ)) # => ["foo", "bar", nil]