要約
REXML::Parsers::StreamParser で使われるコールバックオブジェクトのためのモジュールです。
このモジュールを include して、各メソッドを適切にオーバーライドしたクラスのインスタンスを REXML::Parsers::StreamParser.new や REXML::Document.parse_stream の引数として渡します。
このモジュールで定義されているメソッド自体は何もしません。コールバックのデフォルト動作(何もしない)を定義しているだけです。
詳しい用例などについては REXML::Parsers::StreamParser を見てください。
目次
- インスタンスメソッド
インスタンスメソッド
attlistdecl(element_name, attributes, raw_content) -> ()
[permalink][rdoc][edit]-
DTDの属性リスト宣言をパースしたときに呼び出されるコールバックです。
- [PARAM] element_name:
- 要素名が文字列で渡されます
- [PARAM] attributes:
- 属性名とそのデフォルト値の対応が { 属性名文字列 => デフォルト値文字列(無ければnil) } というハッシュテーブルで渡されます
- [PARAM] raw_content:
- 文書内の属性リスト宣言の文字列がそのまま渡されます
例
<!ATTLIST a att CDATA #REQUIRED xyz CDATA "foobar">
という属性リスト宣言に対しては
element_name: "a" attributes: {"att"=>nil, "xyz"=>"foobar"} raw_content: " \n<!ATTLIST a att CDATA #REQUIRED xyz CDATA \"foobar\">"
という引数が渡されます。
cdata(content) -> ()
[permalink][rdoc][edit]-
CDATA セクションをパースしたときに呼び出されるコールバックメソッドです。
- [PARAM] content:
- CDATAセクションの内容の文字列が渡されます
例
<![CDATA[ xyz ]]>
というCDATAセクションに対しては
content: " xyz "
という引数が渡されます。
comment(comment) -> ()
[permalink][rdoc][edit]-
XML文書内のコメントをパースしたときに呼び出されるコールバックメソッドです。
- [PARAM] comment:
- コメントの内容が文字列で渡されます
doctype(name, pub_sys, long_name, uri) -> ()
[permalink][rdoc][edit]-
文書型宣言(DTD)をパースしたときに呼び出されるコールバックメソッドです。
pub_sys, long_name, uri はDTDが内部サブセットのみを利用している場合には nil が渡されます。
- [PARAM] name:
- 宣言されているルート要素名が文字列で渡されます。
- [PARAM] pub_sys:
- "PUBLIC" もしくは "SYSTEM" が渡されます。nilが渡される場合もあります。
- [PARAM] long_name:
- "SYSTEM" の場合はシステム識別子が、"PUBLIC"の場合は公開識別子が文字列で渡されます
- [PARAM] uri:
- "SYSTEM" の場合は nil が、"PUBLIC" の場合はシステム識別子が渡されます
例
<!DOCTYPE me PUBLIC "foo" "bar">
というDTDに対しては
name: "me" pub_sys: "PUBLIC" long_name: "foo" uri: "bar"
という引数が渡されます。
<!DOCTYPE root [ ...
というDTDに対しては
name: "root" pub_sys: nil long_name: nil uri: nil
という引数が渡されます。
doctype_end -> ()
[permalink][rdoc][edit]-
文書型宣言(DTD)の終了区切りをパースしたときに呼び出されるコールバックメソッドです。
elementdecl(content) -> ()
[permalink][rdoc][edit]-
DTDの要素型宣言をパースしたときに呼び出されるコールバックメソッドです。
- [PARAM] content:
- 要素型宣言が文字列として渡されます。
例
<!ELEMENT root (a+)>
という属性型宣言に対しては
content: "<!ELEMENT root (a+)"
という引数が渡されます。
entity(content) -> ()
[permalink][rdoc][edit]-
DTD内で、パラメータ実体参照(%entityname;)が現れたときに呼び出されるコールバックメソッドです。
DTDの各宣言(要素型宣言や実体参照宣言)の内側で使われた場合はこのメソッドはコールバックされません。各宣言のためのコールバックメソッド (REXML::StreamListener#elementdecl や REXML::StreamListener#entitydecl など) の引数の一部として渡されます。
2.0.0 以前ではこのメソッドはコールバックされないことに注意してください。
- [PARAM] content:
- 参照名が文字列で渡されます。
entitydecl(content) -> ()
[permalink][rdoc][edit]-
DTDの実体宣言をパースしたときに呼び出されるコールバックメソッドです。
- [PARAM] content:
- 実体宣言が配列で渡されます
実体宣言の書き方によって content に渡されるデータの形式が異なります。
require 'rexml/parsers/baseparser' require 'rexml/parsers/streamparser' require 'rexml/streamlistener' xml = <<EOS <!DOCTYPE root [ <!ENTITY % YN '"Yes"'> <!ENTITY % YN 'Yes'> <!ENTITY WhatHeSaid "He said %YN;"> <!ENTITY open-hatch SYSTEM "http://www.textuality.com/boilerplate/OpenHatch.xml"> <!ENTITY open-hatch PUBLIC "-//Textuality//TEXT Standard open-hatch boilerplate//EN" "http://www.textuality.com/boilerplate/OpenHatch.xml"> <!ENTITY hatch-pic SYSTEM "../grafix/OpenHatch.gif" NDATA gif> ]> <root /> EOS class Listener include REXML::StreamListener def entitydecl(content); p content; end end REXML::Parsers::StreamParser.new(xml, Listener.new).parse # >> ["YN", "\"Yes\"", "%"] # >> ["YN", "Yes", "%"] # >> ["WhatHeSaid", "He said %YN;"] # >> ["open-hatch", "SYSTEM", "http://www.textuality.com/boilerplate/OpenHatch.xml"] # >> ["open-hatch", "PUBLIC", "-//Textuality//TEXT Standard open-hatch boilerplate//EN", "http://www.textuality.com/boilerplate/OpenHatch.xml"] # >> ["hatch-pic", "SYSTEM", "../grafix/OpenHatch.gif", "gif"]
instruction(name, instruction) -> ()
[permalink][rdoc][edit]-
XML処理命令(PI)をパースしたときに呼び出されるコールバックメソッドです。
- [PARAM] name:
- ターゲット名が文字列で渡されます
- [PARAM] instruction:
- 処理命令の内容が文字列で渡されます
例
<?xml-stylesheet type="text/css" href="style.css"?>
というPIに対し
name: "xml-stylesheet" instruction: " type=\"text/css\" href=\"style.css\""
という引数が渡されます。
notationdecl(content) -> ()
[permalink][rdoc][edit]-
DTDの記法宣言をパースしたときに呼び出されるコールバックメソッドです。
- [PARAM] content:
- 記法宣言が [記法名文字列, 種別("PUBLIC" もしくは "SYSTEM"), 公開識別子文字列, URI文字列] という配列で渡されます。
tag_end(name) -> ()
[permalink][rdoc][edit]-
終了タグをパースしたときに呼び出されるコールバックメソッドです。
- [PARAM] name:
- タグ名が文字列で渡されます
例
</tag>
という終了タグに対し、
name: "tag"
という引数が渡されます。
tag_start(name, attrs) -> ()
[permalink][rdoc][edit]-
開始タグをパースしたときに呼び出されるコールバックメソッドです。
- [PARAM] name:
- タグ名が文字列で渡されます
- [PARAM] attrs:
- タグの属性が"属性名" => "属性値"という Hash で渡されます
例
<tag attr1="value1" attr2="value2">
という開始タグに対し、
name: "tag" attrs: {"attr1" => "value1", "attr2" => "value2"}
という引数が渡されます。
text(text) -> ()
[permalink][rdoc][edit]-
XML文書内のテキストをパースしたときに呼び出されるコールバックメソッドです。
- [PARAM] text:
- テキストが文字列で渡されます
xmldecl(version, encoding, standalone) -> ()
[permalink][rdoc][edit]-
XML宣言をパースしたときに呼び出されるコールバックメソッドです。
version, encoding, standalone はXML宣言内で対応する構成要素が省略されている場合には nil が渡されます。
- [PARAM] version:
- 宣言されているバージョンが文字列で渡されます。
- [PARAM] encoding:
- 宣言されているエンコーディングが文字列で渡されます。
- [PARAM] standalone:
- スタンドアロン文書であるかどうかが "yes" "no" で渡されます
例
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
というXML宣言に対しては
version: "1.0" encoding: "utf-8" standalone: nil
という引数が渡されます。