Ruby 2.3.0 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > opensslライブラリ > OpenSSL::X509::Storeクラス
クラスの継承リスト: OpenSSL::X509::Store < Object < Kernel < BasicObject
証明書ストアクラス。
証明書ストアとは証明書および CRL の集合です。証明書を検証する際、 自身が所持している証明書から検証に必要な証明書を探し出す機能を 提供しています。
new -> OpenSSL::X509::Store
[permalink][rdoc]空の Store オブジェクトを生成します。
add_cert(cert) -> self
[permalink][rdoc]CA 証明書を信頼する証明書として証明書ストアに加えます。
add_crl(crl) -> self
[permalink][rdoc]信頼する CRL(証明書失効リスト) を証明書ストアに加えます。
add_file(file) -> self
[permalink][rdoc]ファイルに含まれる CA 証明書を信頼する証明書として証明書ストアに加えます。
add_path(path) -> self
[permalink][rdoc]path が指し示すディレクトリに含まれる証明書ファイルを 信頼する証明書として加えます。
chain -> [OpenSSL::X509::Certificate] | nil
[permalink][rdoc]最後に OpenSSL::X509::Store#verify を呼び、 検証したときのルート CA までの証明書のチェインを返します。
証明書の順序は以下の通りです。
[証明書, 下位 CA 証明書, 中間 CA 証明書, ... , ルート CA 証明書]
verify を一度も呼びだしていない場合は nil を返します。
返り値は verify を呼ぶごとに更新されます。
error -> Integer | nil
[permalink][rdoc]最後に OpenSSL::X509::Store#verify を呼び、 検証したときのエラーコードを返します。
エラーコードの整数値は OpenSSL::X509 に定数が定義されています。 詳しくは OpenSSL::X509/検証時エラー定数 を見てください。 検証に成功した場合は OpenSSL::X509::V_OK を返します。
verify を一度も呼びだしていない場合は nil を返します。
返り値は verify を呼ぶごとに更新されます。
error_string -> String | nil
[permalink][rdoc]最後に OpenSSL::X509::Store#verify を呼び、 検証したときのエラー文字列を返します。
検証に成功した場合は "ok" を返します。
verify を一度も呼びだしていない場合は nil を返します。
返り値は verify を呼ぶごとに更新されます。
flags=(flags)
[permalink][rdoc]CRL に関するフラグを設定します。
以下の定数から必要なものを選んで OR 取り、渡します。
このフラグは OpenSSL::X509::Store#verify で検証する場合に利用されます。 OpenSSL::X509::StoreContext.new で証明書ストアコンテキストを 生成する場合にはそのコンテキストにフラグがコピーされます。
デフォルトではフラグは設定されていません。
[SEE_ALSO] OpenSSL::X509::StoreContext#flags=
purpose=(purpose)
[permalink][rdoc]証明書の使用目的を設定します。
以下の定数値のうちいずれか1つを渡します。
この値は OpenSSL::X509::Store#verify で検証する場合に利用されます。 証明書に記載されている使用目的が適合していない場合には検証が失敗します。 OpenSSL::X509::StoreContext.new で証明書ストアコンテキストを 生成する場合にはそのコンテキストにこの値がコピーされます。
[SEE_ALSO] OpenSSL::X509::StoreContext#purpose=
set_default_paths -> nil
[permalink][rdoc]システムに組込まれている証明書を読み込みます。
time=(time)
[permalink][rdoc]証明書の有効期限の検証に使う日時を設定します。
デフォルトでは現在時刻が使われます。
[SEE_ALSO] OpenSSL::X509::StoreContext#time=
trust=(trust)
[permalink][rdoc][TODO]
以下のいずれかの定数の値を指定します。
[SEE_ALSO] OpenSSL::X509::StoreContext#trust=
verify(cert, chain = nil) -> bool
[permalink][rdoc]verify(cert, chain = nil) {|ok, ctx| ... } -> bool
証明書を証明書ストアに存在する CA 証明書で検証します。
chain には検証したい証明書の証明書チェイン全体を OpenSSL::X509::Certificate の配列で渡します。
検証に成功した場合は true を、失敗した場合は false を返します。
このメソッドをブロック付きで呼び出すと、そのブロックが 検証をフィルタするコールバックと見做されます。このコールバックについては OpenSSL::X509::Store#verify_callback= を参照してください。
内部では OpenSSL::X509::StoreContext.new と OpenSSL::X509::StoreContext#verify を呼びだすことによって検証しています。
verify_callback -> Proc | nil
[permalink][rdoc]オブジェクトに設定されている検証をフィルタするコールバックを 返します。
デフォルトのコールバックが設定されている場合には nil を返します。
[SEE_ALSO] OpenSSL::X509::Store#verify_callback=
verify_callback=(proc)
[permalink][rdoc]検証をフィルタするコールバックを設定します。
渡されたコールバックオブジェクトは証明書チェインの検証時に チェインに含まれる各証明書の署名を検証するたびに呼びだされます。 そのときに渡される引数は以下のように
proc{|ok, ctx| ... }
2つで、1つめは検証が成功したかの真偽値、 2つめは検証後の状態を保存した OpenSSL::X509::StoreContext オブジェクトです。 このコールバックには2つの役割があります。1つ目はコンテキストオブジェクト を調べることで詳細なエラー情報を得ることです。2つ目は検証をカスタマイズ することです。このコールバックが true を返すと、たとえ OpenSSL が検証失敗と判定しても、検証が成功したものと判断し証明書チェイン の検証を続けます。逆に false を返すと、検証が失敗したものとみなされ 検証を停止し、検証メソッドは検証失敗を返します。詳細なエラー情報を 得たいだけの場合はコールバックは第一引数をそのまま返すようにしてください。
nil を設定するとデフォルトのコールバック(単に第一引数をそのまま返すだけ) が使われます。
初期状態は nil です。
[SEE_ALSO] OpenSSL::X509::Store#verify_callback, OpenSSL::X509::Store#verify, OpenSSL::X509::StoreContext#verify