Ruby 2.3.0 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > fiddleライブラリ > Fiddle::Closureクラス

class Fiddle::Closure

クラスの継承リスト: Fiddle::Closure < Object < Kernel < BasicObject

要約

コールバック関数を表すクラスです。

Ruby のメソッド(call)を C の関数ポインタとして表現するためのクラスです。

FFI の closure の wrapper です。

利用法としては、このクラスのサブクラスを作って そのサブクラスに call メソッドを定義し、 new でオブジェクトを生成することで利用します。

require 'fiddle'
include Fiddle # TYPE_* を使うために include する

class Compare < Fiddle::Closure
  # qsort の比較関数は 型が int(*)(void*, void*) であるため、
  # このメソッドには DL::CPtr オブジェクトが渡される。
  # そのポインタが指す先は比較している文字なので、
  # DL::CPtr#to_s で1文字の文字列に変換している
  def call(x, y)
    x.to_s(1) <=> y.to_s(1)
  end
end

libc = DL.dlopen("/lib/libc.so.6")
qs = Fiddle::Function.new(libc["qsort"],
                          [TYPE_VOIDP, TYPE_INT, TYPE_INT, TYPE_VOIDP],
                          TYPE_VOID)
s = "7x0cba(Uq)"
qs.call(s, s.size, 1, Compare.new(TYPE_INT, [TYPE_VOIDP, TYPE_VOIDP]))
p s # =>  "()07Uabcqx"

Class.new を使うことで、サブクラスを明示的に作ることなしに コールバックオブジェクトを作ることができます。

require 'fiddle'
include Fiddle # TYPE_* を使うために include する
compare = Class.new(Fiddle::Closure){
  def call(x, y)
    x.to_s(1) <=> y
  end
}.new(TYPE_INT, [TYPE_VOIDP, TYPE_VOIDP])

単に Ruby のブロックを C の(コールバック)関数に変換したい場合は Fiddle::BlockClosure を使うほうが簡単です。

目次

特異メソッド
new
インスタンスメソッド
args ctype to_i

特異メソッド

new(ret, args, abi=Fiddle::Function::DEFAULT) -> Fiddle::Closure[permalink][rdoc]

そのクラスの call メソッドを呼びだすような Fiddle::Closure オブジェクトを返します。

args、ret で関数の引数と返り値の型を指定します。 指定は Fiddle::Function.new と同様なので、そちら を参照してください。

[PARAM] ret:
返り値の型
[PARAM] args:
引数の型を表す配列
[PARAM] abi:
呼出規約

インスタンスメソッド

args -> [Integer][permalink][rdoc]

引数の型を表す配列を返します。

ctype -> Integer[permalink][rdoc]

返り値の型を返します。

to_i -> Integer[permalink][rdoc]

C の関数ポインタのアドレスを返します。