Ruby 2.1.0 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > dlライブラリ > DL::Handleクラス

class DL::Handle

クラスの継承リスト: DL::Handle < Object < Kernel < BasicObject

要約

オープンされたダイナミックライブラリを表すクラスです。 dlopen(3) が返すハンドラーのラッパーです。

目次

特異メソッド
[] sym new
インスタンスメソッド
[] sym close close_enabled? disable_close enable_close to_i
定数
DEFAULT NEXT

特異メソッド

sym(func) -> Integer[permalink][rdoc]
self[func] -> Integer

ライブラリのデフォルトの検索順序に従い、現在のライブラリ以降の シンボルを探します。

DL::Handle::NEXT.sym(func) と同じです。詳しくは dlsym(3) の RTLD_NEXT を見てください。

[EXCEPTION] DL::DLError:
シンボルが見つからなかった時に発生します。
new(lib, flags=DL::RTLD_LAZY|DL::RTLD_GLOBAL) -> DL::Handle[permalink][rdoc]
new(lib, flags=DL::RTLD_LAZY|DL::RTLD_GLOBAL) {|handle| ... } -> DL::Handle

ライブラリ lib をオープンし、Handle オブジェクトとして返します。

ブロックを指定すれば、生成した Handle を引数としてブロックを実行します。 Handle はブロックの終りで自動的にクローズされます。

flags で dlopen(3) の第2引数として渡すフラグを指定できます。 DL::RTLD_LAZYDL::RTLD_NOW のどちらか一方を指定する必要があり、 またそれに DL::RTLD_GLOBAL と OR を取ることができます。 詳しい意味は manpage(dlopen(3)) を参照してください。

[PARAM] lib:
ライブラリを文字列で指定します。
[PARAM] flags:
フラグ
[EXCEPTION] DL::DLError:
ライブラリのオープンに失敗した場合に発生します

例:

require 'dl'

h = DL::Handle.new('libc.so.6')
i = h.sym('strlen') #=> 3085201584
cfunc = DL::CFunc.new(i, DL::TYPE_INT, 'strlen')
p cfunc.call(['abcde'].pack('p*').unpack('l!*'))   #=> 5

インスタンスメソッド

sym(func) -> Integer[permalink][rdoc]
self[func] -> Integer

関数やグローバル変数 func へのポインタを取得し、整数として返します。

[PARAM] func:
得たいシンボルの名前を文字列で与えます。
[EXCEPTION] DL::DLError:
シンボルが見つからなかった時に発生します。

例:

require 'dl'

h = DL::Handle.new('libc.so.6')
i = h.sym('strlen')
p i                                                #=> 3085201584
cfunc = DL::CFunc.new(i, DL::TYPE_INT, 'strlen')
p cfunc.call(['abcde'].pack('p*').unpack('l!*'))   #=> 5
close -> Integer[permalink][rdoc]

自身をクローズします。成功した場合は 0 を返します。そうでない場合は、 0 以外の整数を返します。

[SEE_ALSO] dlclose(3)

close_enabled? -> bool[permalink][rdoc]

GC によるオブジェクトの回収時に self をクローズする(DL::Handle#close) かどうかを真偽値で返します。

[SEE_ALSO] DL::Handle#enable_close, DL::Handle#disable_close

disable_close -> nil[permalink][rdoc]

GC によるオブジェクトの回収時に self をクローズしない(DL::Handle#close) ように設定します。

デフォルトでは close しません。

[SEE_ALSO] DL::Handle#enable_close, DL::Handle#close_enabled?

enable_close -> nil[permalink][rdoc]

GC によるオブジェクトの回収時に self をクローズする(DL::Handle#close) ように設定します。

デフォルトでは close しません。

[SEE_ALSO] DL::Handle#disable_close, DL::Handle#close_enabled?

to_i -> Integer[permalink][rdoc]

自身が表すハンドル(dlopen(3) が返したもの)のアドレスを返します。

定数

DEFAULT -> DL::Handle[permalink][rdoc]

RTLD_DEFAULT で表わされる疑似ハンドルを表します。

詳しくは dlsym(3) を参照してください。

NEXT -> DL::Handle[permalink][rdoc]

RTLD_NEXT で表わされる疑似ハンドルを表します。

詳しくは dlsym(3) を参照してください。