Ruby 1.8.7 リファレンスマニュアル > Rubyで使われる記号の意味(正規表現の複雑な記号は除く)

Rubyで使われる記号の意味(正規表現の複雑な記号は除く)

! ? # % & |  + - * / ^ '  . , < > = ~  $ @ _ {}  [] () " : `  \ ;

!

!true

not 演算子。演算子式/notを参照。

3 != 5

「等しくない」比較演算子。演算子式/notを参照。

def xxx!

「!」はメソッド名の一部です。慣用的に、 同名の(! の無い)メソッドに比べてより破壊的な作用をもつメソッド(例: tr と tr!)で使われます。

/xxx/ !~ yyy

正規表現のメソッド =~ の否定。マッチが失敗したらtrueを返します。

?

?a

リテラル/数値リテラル。文字の ascii コードの数値。

def xx?

この場合の「?」はメソッド名の一部分です。 慣用的に、真偽値を返すタイプのメソッドを示すために使われます。

xx ? yy : zz

演算子式/条件演算子。三項演算子とも呼ばれます。if xx then yy else zz end と同じ意味です。

/xxx?/

正規表現の、量指定子(quantifiers)。直前の正規表現の 0 または 1 回の繰り返し。

#

#コメント

字句構造/コメント。# から行末までがコメントになります。

xxx #=> 実行結果
xxx # => 実行結果

慣用的に実行結果を示すために使われるコメントの書き方。

#! ruby -Ks

shebang。Rubyの起動/インタプリタ行の解釈を参照。

# coding: utf-8

マジックコメント。 を参照。

"a is #{a}"

リテラル/式展開

  a = 10
  p "a is #{a}"  #=> "a is 10"
Range#each

説明文の中でのみ使われます。Ruby言語の要素ではありません。クラスのインスタンスメソッドであることを 簡単に表示するための表記法です。一方、クラスメソッドは「Range.new」のように「.」でつなぎます。

%

10 % 3

各クラスで定義された「%」演算子。整数クラスでは「剰余」を意味するメソッド。Fixnum#%メソッドなどを参照。

"%04b" % 10

Stringクラスの「%」演算子。String#% メソッド。文字列中ではフォーマット指定子としても使われる。

%r{/etc/httpd/logs$} や %w[foo bar baz] ・・ %<文字><区切り文字><文字列><区切り文字>

リテラル/%記法。<区切り文字>には任意の非英数字を用いることができ、 <文字>によって式の意味が異なります。なお、最初の <区切り文字> が、左側の角括弧 [、丸括弧 (、 ブレース {、小なり不等号 <、の場合は、対応する右側の括弧が終わりの <区切り文字> になります。

    p %r{/etc/httpd/logs$} #=> /\/etc\/httpd\/logs$/
    p %w[foo bar baz] #=> ["foo", "bar", "baz"]
%!STRING!

% 記法の一種。リテラル/%記法。ダブルクォート文字列で %Q!STRING! と同じ。

    p %!nomad! #=> "nomad"
% ruby -e "puts 'Hello'"

コマンドラインへの入力を示す。rubyスクリプト上で入力を行うには `command` や system(command) などと書く

&

xxx & yyy

論理積演算子。または類似の演算を行うメソッド。

    p( 3 & 5 ) #=> 1 ・・ 二進数で 0011 & 0101 #=> 0001
a &= yyy

「&」メソッドの自己代入演算子。

xxx && yyy

「and」演算子。

    p( 3 && 5 ) #=> 5 ・・ 3 も 5 も真なので右の値を返す。
def xxx(&yyy) ・・ &がついた引数

メソッド定義のブロック引数。クラス/メソッドの定義/メソッド定義を参照。

xxx(&b)

Proc オブジェクトをブロックとして使う。メソッド呼び出し(super・ブロック付き・yield)/ブロック付きメソッド呼び出し を参照。

|

3 | 5

論理和演算子または類似のメソッド。二進数で 0011 | 0101 => 0111。

3 || 5

「or」演算子または類似のメソッド。3 は真なので左の値を返す。

a ||= xxx

「||」演算子の自己代入演算子。a が 偽 か 未定義 なら a に xxx を代入する、という意味になります。

  a ||= :some
  p a #=> some
  a ||= :sec
  p a #=> some
5.times{|n| p n}

ブロックパラメータであることを示す区切り文字。

/xx(xx|xx)/

正規表現の選択

+

2 + 3

たし算。または類似の演算を行うメソッド。

+ 3

正の数を表す、単項演算子+。

/xxx+/

正規表現の、量指定子(quantifiers)。直前の表現の 1 回以上の繰り返し

-

3 - 2

引き算。または類似のメソッド

3 * (-5)

単項 - (マイナス)。混乱を避けるため適宜()でくくるとよい。

% ruby -w など コマンドラインの入力 -AAA

コマンドラインオプション

*

2 * 3

かけ算。または類似の演算を行うメソッド。

2**3

累乗。または類似の演算を行うメソッド。

def xxx(*yy) ・・ *がついた引数

メソッド呼出の引数展開。メソッド呼び出し(super・ブロック付き・yield)クラス/メソッドの定義/メソッド定義 を参照。

x, *y = foo()

多重代入。演算子式/多重代入 を参照。

/xx*/

正規表現の、直前の表現の 0 回以上の繰り返し。できるだけ長くマッチしようとする。 正規表現 を参照。

/

10 / 3

割り算、または類似のメソッド。

/xxx/

リテラル/正規表現リテラル

'1二三四5'.split(//)

// は空の正規表現を意味する

^

true ^ true

「xor」演算子。排他的論理和。または類似のメソッド。

a ^= true

「^」演算子の自己代入演算子。aの論理値の反転。

    p(a=true);p(a^=true);p(a^=true) #=> true false true
/^xxx/

正規表現で、行頭。文字列の先頭や改行文字の直後の位置にマッチします。

:

:exit等の:のついた識別子

シンボルリテラル。リテラル/シンボル を参照。

Net::HTTP

定数のスコープ演算子。変数と定数/定数 を参照。

::DateTime

定数のスコープ演算子で、トップレベルの定数であることを示す。Object クラスで 定義されている定数(トップレベルの定数と言う)を確実に参照するためには 変数と定数/定数 を参照。

xx ? yy : zz

条件演算子。三項演算子とも呼ばれます。if xx then yy else zz end と同じ意味です。 演算子式/条件演算子 を参照。

if 30 > 20 : ... など 条件式 式 :

thenの省略形。条件式と式を同一行に書きたいときの表記法。

Ruby1.9.1 以降では使用できません。

.

xxx.yyy

オブジェクトのメソッド

Range.new

オブジェクトのメソッドだが、説明文の中では特にクラスのクラスメソッド/モジュールの モジュールメソッドを示すことに使われます。一方、インスタンスメソッドは「Range#each」のように 「#」でつなぎます。

1 .. 20

最大値を含む Range オブジェクトを作る範囲演算子です。全体で範囲式といいます。演算子式/範囲式

1 ... 20

最大値を含まない Range オブジェクトを作る範囲演算子です。 全体で範囲式といいます。演算子式/範囲式

if /^begin/ .. /^end/ など 条件式 式 .. 式

条件式中の範囲式は特別にフリップフロップのように働きます。

    '1234543212345'.each_char { |n| print( (n == ?2)..(n == ?4) ? n : '_' ) } #=> _234___21234_
    #"2"が出るまではfalse、"2"が出てから"4"が出るまではtrue、"4"から"2"まではfalseを返す。
/xx.xx/

正規表現の任意の一文字。

,

a,b, = [1,2,3] ・・ 代入の左辺の「,」

多重代入。演算子式/多重代入を参照。

a = b, c

多重代入。演算子式/多重代入を参照。

def foo(bar, baz)

メソッド引数の区切り。

{ :a => 1, :b => 2 }

ハッシュの要素の区切り。

[:a, :b, :c]

配列の要素の区切り。

{ :a => 1, :b => 2 }.each{|key, val|}

ブロックパラメータの区切り。

<

3 < 5

「より小さい」比較演算子

3 <= 5

「より小さいか等しい」比較演算子

3 <=> 5

基本的な比較演算子。ほかの比較演算子はこの演算子を元に Comparable モジュールで定義されています。 左が大きければ 1, 等しければ0, 右が大きければ -1 を返すように作ることが期待されています。

3 << 1

シフト演算を行うメソッド。または類似のメソッド。Array#<< など。

a <<= 1

「<<」演算子の自己代入演算子。

  a = 3
  a <<= 1
  p a #=> 6
<<EOS または <<-EOS 、<<"EOS" など。

ヒアドキュメントです。リテラル/ヒアドキュメント (行指向文字列リテラル)。ヒアドキュメントは `<<識別子' を含む行の次の行から `識別子' だけの行の直前までを文字列とする行指向のリテラルです。

class Foo < Super

クラス定義でスーパークラスを指定しています。 クラス/メソッドの定義/クラス定義

class << obj

特異クラス定義。クラス/メソッドの定義/特異クラス定義を参照。

>

3 > 5

「より大きい」比較演算子

3 >= 5

「より大きいか等しい」比較演算子

3 <=> 3

基本的な比較演算子。ほかの比較演算子はこの演算子を元に Comparable モジュールで定義されています。左が大きければ1, 等しければ0, 右が大きければ -1 を返すように作ることが期待されています。

3 >> 1

シフト演算子。または類似のメソッド。

a >>= 1

「>>」演算子の自己代入演算子。

  a = 3
  a >>= 1
  p a #=> 1
{ 1 => "11" , 3 => "333" }

ハッシュのリテラル

=

a = 12

代入演算子。

xxx.a = 12

代入メソッドの呼び出し。

a == 12

等号演算子。または類似のメソッド。

a === 12

特殊な等号演算子。Object#===での説明:「このメソッドは case 文での比較に用いられます。 デフォルトは Object#== と同じ働きをしますが、 この挙動はサブクラスで所属性のチェックを実現するため 適宜再定義されます」。たとえば、Range#=== はother が範囲内に含まれている時に真を返します。

a += 12 , a *= 12 , a ||= 12 など・・a 二項演算子 = b

自己代入演算子。演算子式/自己代入を参照。

  a = 7
  a **= 2
  p a #=> 49
def xx=

この場合の「=」はメソッド名の一部分です。このタイプの名前のメソッドを定義すると、 同時に「=」演算子を定義することになります。

=begin ・・ =end

埋め込みドキュメントです。字句構造/埋め込みドキュメントを参照。

{ 1 => "11" , 3 => "333" }

ハッシュのリテラル

rescue => XXX

例外処理で例外結果を変数 XXX に代入します。

xxx #=> 実行結果

慣用的に実行結果を示すために使われるコメントの書き方。

~

'%04b %04b' % [3, ~ 3]

ビット演算の否定。

 '%04b %04b' % [3, ~ 3] #=> "0011 1100"
/xxx/ =~ yyy

正規表現のメソッド =~ 。正規表現と文字列をマッチさせる。両辺を入れ替えても機能します。

/xxx/ !~ yyy

正規表現のメソッド =~ の否定。マッチが失敗したらtrueを返します。

~ /xxx/

/xxx/ =~ $_ の省略形。~の後ろは正規表現でなければいけません。

$

$xxx

グローバル変数。変数と定数/グローバル変数を参照。

$_ や $! など ・・$<1文字の数字、記号>

特殊変数(組み込み変数)。変数と定数/組み込み変数 を参照。

/xx$/

正規表現で行末。文字列の末尾や改行文字の直前の位置にマッチします。改行自身は含みません。 正規表現を参照。

@

@xxx

インスタンス変数。変数と定数/インスタンス変数を参照。

@@xxx

クラス変数。変数と定数/クラス変数を参照。

def +@ または def -@

単項演算子 +X や -X を定義するときの表記法。

  class String
    def +@
      self.upcase
    end
  end

  puts(+"joke") #=> JOKE

_

xxx_yyy

識別子の中では小文字と同じ扱い

123_456

文字コード以外の数値リテラルには、`_' を含めることができます。 ruby インタプリタは `_' を単に無視し、 特別な解釈は何もしません。 これは、大きな数値の桁数がひと目でわかるように記述するのに便利です。 リテラル/数値リテラルを参照。

{

}

{ 1 => "11" , 3 => "333" }

ハッシュのリテラル

5.times{|n| p n}

ブロック

/xx{2,3}/

正規表現の、範囲指定繰り返し制御(interval quantifier)。

"a is #{a}"

式展開。リテラル/式展開を参照。

  a = 10
  p "a is #{a}"  #=> "a is 10"

[

]

[1,"some",:ok]

配列のリテラル

'abcde'[1,2]

[]メソッドの実行

  class String
    def [](*a)
      '(^^;'
    end
  end
  p( 'abcde'[1,2] )  #=> "(^^;"
/xx[abc]/

正規表現の文字クラス指定。

(

)

(true and false)
p({})

丸カッコ()は厳密には、複数の文、式をまとめてひとつの式にするグループ化の()(上の例のカッコ)とメソッドの引数を明示する()(下の例のカッコ)があります。下の例はカッコを省略した場合に引数として解釈されません。例のような特別な場合を除き、普段は使い分けを意識する必要はありません。()は意味が不明瞭にならない範囲で省略が可能です。

"

"abc"

文字列リテラル。式展開などが可能なタイプの文字列リテラルです。 リテラル/文字列リテラルを参照。

'

'abc'

文字列リテラル。最低限のエスケープだけしかしません。式展開などをしたい場合はかわりに""を用います。

`

`ls`

コマンド出力。バッククォート(`)で囲まれた文字列は、コマンドとして実行され、 その標準出力が文字列として与えられます。リテラル/コマンド出力を参照。

    puts `ruby -h`
    #=> Usage: ruby [switches] [--] [programfile] [arguments]
    #=> ....

\

バックスラッシュ。環境によって¥に見えたりします。

puts "abc\"def"

文字列や正規表現の中のエスケープ。

 puts "abc\"def" #=> abc"def
xxx \

継続行。改行の直前に置かれる。パースの段階で直後の改行が存在しないものとして扱われます。

    puts(3 \
    + 4) #=> 7

;

a = 3 ;

式の区切り。改行と同じ