Ruby 1.8.7 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > 組み込みライブラリ > Process::GIDモジュール
クラスの継承リスト: Process::GID
カレントプロセスのグループ ID を操作するためのモジュールです。
移植性が考慮されており、プラットフォーム間の違いを吸収するように実装されています。 プラットフォームのシステムコールを直接使いたい場合には Process::Sys が提供されています。Process::Sys と Process::GID を同時に使うことは推奨されません。
実グループ ID を変更するメソッドは提供されていません。 これは Process::GID.#eid= と Process::GID.#re_exchange を以下のように 組み合わせることによって実現できます。
# (r,e,s) == (g1,g2,??) Process::GID.re_exchange # (g1,g2,??) ==> (g2,g1,??) Process::GID.eid = id # (g2,g1,??) ==> (g2,id,??) Process::GID.re_exchange # (g2,id,??) ==> (id,g2,??)
change_privilege(id) -> Integer
[permalink][rdoc]実グループ ID・実効グループ ID・保存グループ ID のすべてを指定された id に変更します。 成功したら id を返します。主に root 権限を完全に放棄するために使います。
利用できるかはプラットフォームに依存します。
[Process.gid, Process.egid] #=> [0, 0] Process::GID.change_privilege(33) #=> 33 [Process.gid, Process.egid] #=> [33, 33]
eid -> Integer
[permalink][rdoc]現在のプロセスの実効グループ ID を返します。
利用できるかはプラットフォームに依存します。
Process.egid #=> 500
grant_privilege(id) -> Integer
[permalink][rdoc]eid=(id)
現在のプロセスの実効グループ ID を id に変更します。成功したら id を返します。
実グループ ID は変更されないことが保証されます。 保存グループ ID が変更されないかもしれないので root 権限の完全放棄には使えません。 保存グループ ID が変化するかどうかは Process::GID.#re_exchangeable? が true を返すかどうかで決まります。
利用できるかはプラットフォームに依存します。
[Process.gid, Process.egid] #=> [0, 0] Process::GID.grant_privilege(33) #=> 33 [Process.gid, Process.egid] #=> [0, 33]
re_exchange -> Integer
[permalink][rdoc]現在のプロセスの実グループ ID と実効グループ ID を入れ替えます。 保存ユーザ ID は新しい実効ユーザ ID と同じになります。 新しい実効グループ ID を返します。
利用できるかはプラットフォームに依存します。
[Process.gid, Process.egid] #=> [0, 33] Process::GID.re_exchange #=> 0 [Process.gid, Process.egid] #=> [33, 0]
re_exchangeable? -> bool
[permalink][rdoc]現在のプラットフォームで Process::GID.#re_exchange が実装されている なら true を返します。そうでない場合に false を返します。
rid -> Integer
[permalink][rdoc]現在のプロセスの実グループ ID を返します。
Process.rid #=> 500
sid_available? -> bool
[permalink][rdoc]現在のプラットフォームが保存グループ ID を持つなら true を返します。 そうでない場合に false を返します。
ただし、このメソッドの値には保証がありません。 現在は次の条件のいずれかが満足される場合には 保存グループ ID を持つものと判定しています。
switch -> Integer
[permalink][rdoc]switch {...} -> object
実効グループ ID を一時的に変更するために使います。
実効グループ ID を実グループ ID に変更します。実効グループ ID と実グループ ID が 等しい場合には、実効グループ ID を保存グループ ID に変更します。 変更前の実効グループ ID を返します。
ブロックが指定された場合、実効グループ ID を実グループ ID へ 変更しブロックを実行します。ブロック終了時に実効グループ ID を元の 値に戻します。ブロックの実行結果を返します。
なお、保存グループ ID を持たない環境でこのメソッドを実行すると 実グループ ID が変化します。
include Process # (r, e, s) == (500, 505, 505) p [gid, egid] #=> [500, 505] Process::GID.switch do p [gid, egid] #=> [500, 500] end p [gid, egid] #=> [500, 505]